2011年10月26日水曜日

頭が良いばかりでも困る

今や英語とパソコンを使いこなす事が指導者たる要件の筆頭に来ている感がある。半ば世捨て人同然の小生でさえ、英語は兎も角パソコンに一日中しがみついて悪戦苦闘している。世の中の変化について行こうと、少ない預金までインターネットで確認したり移動したりするようにまでなった。株をしている殆どの同輩諸氏もインターネットで売買しているようだ。ことほど左様にパソコンは便利至極である。ビジネス世界においてインターネットがどれほど効率化に貢献しているかは容易に想像できる。

しかし何事も良い事ばかりが続くと言うことは無さそうだ。最近にわかにサイバー戦争なる報道が大きくなりつつある。便利さが極まったのかどうか分からないが、ネット社会の負の現象が現われはじめた。兵器産業や衆議院へのサイバー攻撃だ。大々的な報道の割には原発事故と同じで、被害の実態が分かりにくい。地震だ津波だの事故は火事や交通事故と同じで、自然災害であっても被害の実態がはっきり目に見える。

逆に人為的災害であっても、原発の放射能災害やネットの事故は被害の実態が分かりにくい。後追いで対策が打たれるが、賽の河原に石を積む感があるところも似ている。前者に関して本当にできるか否かは別として、何十年か先には原発そのものの使用をやめるとの話はある。でもインターネットは全世界を既に席巻している、そうはいかないだろう。便利さと使い勝手は益々よくなるのだろうが、比例して危険性は高くなる一方だろう。

飛躍するようだが、アメリカでは1%の人が富の50%を得て、残りを99%の人が分けているので、貧富の格差が増大しているとも言われている。同様にネットユーザーの99%は、種も仕掛けも分からずにパソコンやネットに使われているとの見方もできはしないか。本当に種や仕掛けが分かる人はひょっとすれば1%以下かも知れない。この単に頭がいいとされる恐るべき人種(達かなぁ)が、全人類の情報全てを管理下に置く日が来たら、カダフィの独裁程度じゃ済まなくなりそうだ。

SF的妄想に浸ると、特定の人間を抹殺するなんてお茶の子さいさいだろうし、こいつらの前で丸裸にされて秘密を一切持てなくなったら、殺人如き手荒な真似は不要になるだろう。現時点では妄想で済むが、科学技術の加速度的進歩で、夢見たい事がいつ実現してしまうか分かったものではない。便利さを追求するのも程々にした方が無難かもしれない。国会議員は自分でパソコンを操作する人は少ないだろう。と言っても秘書は全員パソコン頼みだろう。

今回の衆議院で起きた事件が愉快犯の犯行ではなく、本気で情報を盗みに来たとすれば相当な成果があったのではなかろうか。官僚も昔のように、紫の風呂敷包みを抱えて霞が関と永田町を飛び回っている方が、風情もあるし仕事もしっとりと人間味溢れるものなって善いかもしれない。所詮サイバー戦争なんて、誰がどれほどの費用を費やそうと際限なきいたちごっこに過ぎない。

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