2011年8月20日土曜日

民主党代表選と小沢一郎

世の中やっと民主党代表選挙モードになってきた。昨年6月の代表選挙で小沢一郎に勝ち、政権の盥回しとの野党からの批判に対しては「次の参院選が国民の信任投票となる」と言いながら、選挙で大敗を喫しても居直ってきた菅氏がやっと終焉を迎えるのは結構な事だ。小沢氏の仕掛けに乗った野党が不信任案を提出してから3か月の日数を要したが、任期途中で引き摺り下ろすことが出来た事は、先ずはご同慶の至りとせねばなるまい。

野党は「政権の盥回しは許されないので、衆議院を解散すべし」と言うが、これは少しおかしいのではなかろうか。与党が圧倒的多数を持っている衆議院を何で解散する必要があるのだ。後は誰になるか分からないが、菅氏以外であれば誰でもと言う小沢氏の意見は理解できる。マスコミは小沢氏の復権を相当に警戒しているだろうが、些か筋違いだろう。彼らがずっと小沢氏を叩き続けながらも、既に小沢路線に乗せられている世の中の動きを見つめ直してほしい。

やはり小沢氏が普段言っていることはそれなりに筋は通っているし、何よりも行動が言っている事と矛盾が少ないのだと思う。ただ彼の行動は残念ながら我々一般人には非常に見えにくい。と言うのはマスコミが彼の行動を追い切れていないことに他ならない。勿論推測にすぎないが、どの政治家よりも多くの秘書を抱え、彼らを手足として世界中の情報を適宜的確に掌握するシステムを何らかの形で確立しているのだろう。

情報を掌握する事は即ち逆もまた真で、自分が知らせたい人にだけメッセージを送る、この辺が如何にも日本の政治家だと思う。所謂根回し、裏交渉、勿論その行動の殆どは発表されない。彼は現在党員資格停止で選挙権は無いようだが、選挙にはできるだけ関わりたいと明言している。言われるまでもなく、立候補者は小沢氏を無視する事は出来るはずもないし、その事を公にしたからといって誰も批判するには当たらないだろう。これからの10日程は代表戦一色になり、小沢叩きもまた始まるだろう。

彼は他人の悪口を言わないようだが、役に立たないと思う人間は徹底的に無視するようだ。新聞社やテレビ局にも小沢番見たい記者はいないのだろうか?多分居ないに違いない。昔TBS記者の田中良紹氏が言っている「権力者の番記者は何一つ取材する事なんかできない。半年毎朝門前に立って『お早うございます』と挨拶を続け、名前を覚えてもらえることが出来るかどうか。時を経て家に上げてもらえるようになっても、本当の事なんか絶対に話してくれない。政治記者は野党や権力の無い人たちの観測気球を掴んで適当に記事を作るのだ。」

小沢氏は無役であっても、マスコミにとっては最大の権力者(実力者)。大手メディアはどうしても彼の本音には迫れない。むしろ雑誌やネットの取材には丁寧に応じているのが面白い。彼の引いた絵図面通りかどうかは知らないが、今月中には次期代表が決まる予定のようだ。マスコミは政策を吟味する暇が有るとか無いとかで又いちゃもんを付けているが、自民党総裁選のような田舎芝居を延々と見せつけられるより余程すっきりしている。

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