2011年6月13日月曜日

東北の農水産業復旧について

月日は遅滞なく進んでいるが世の中全体に何となく停滞しているような気がする。特に東京は節電モードとやら暗い。只でさえ梅雨空がどんよりと重くのしかかっているので余計にいけない。既に半分世捨て人だから、気にせずマイペースで日常を淡々と過ごしているつもりだが、毎日のブログの種に困ってしまう。全ての原因は震災と原発事故にあるのだが、この影響はいつごろまで続くのだろう。

敗戦に匹敵する災害とか、311をきっかけにして日本が変わったとか言われるが、この言葉もあまりピンと来ない。確かに敗戦をきっかけに日本は大きく変わった。しかし今度の災害で、日本が変わるなんて事はないだろう。暢気な父さんの希望的予測でもある。仕事をしている友人からはこんな話も聞いた。終戦直後と同じで、全てを失って困窮している多数の人に隠れて大儲けしている連中が居る。又は、現在は東京より仙台の方が明るくて活気にあふれている。東北電力管内は節電令が無いので明るいし、復旧事業関係で商売も繁盛しているらしい。目先の聞く奴はいつの世にも存在するので、これくらいは仕方あるまい。

考えて見れば、終戦直後は絶対権力者の進駐軍のお陰で、当時としては復興が猛スピードで進んだのだろう。それでも日本全体が何となく落ち着くまでには丁度10年くらいかかっている。これは個人的実感だから、学者に言わせれば別になるかもしれない。昭和20年代と現在ではインフラは勿論、科学技術、日本にある資金量、どれをとっても桁外れに整っている筈だし、政治は一見混乱しているが、誰がリーダーになろうと関係はなさそうだ。混乱しているのが永田町だけであれば、今度の災害の復旧は10年も掛かる筈が無かろう。昭和20年当時比べれば、誰もが前向きに生きているように思う。

しかし問題は別のところにあるように思う。昭和20年代の経済復興は先ず農業生産、特にコメ作りから始まった。今回は農業基盤整備について余り明るい兆しが報じられない。今後、仙台は別かもしれないが、東北被災地の大半から人口の流出が進み、益々過疎化が進むことになるだろう。情報インフラの復旧で文化的格差はそれほどではないにせよ、若い人が出て行ってしまい、年齢構成は逆三角形で、それこそ10年も経てば所得の地域間格差は今以上に拡大してしまうのではないだろうか。農村の過疎化は現在既に全国で見られる現象だが、東北の食糧供給地に於いてこれに拍車が掛かる可能性は素人でも分かる。

原子量発電依存体質も積年の弊害であったが、農林漁業に対する対策も長年ほったらかしになっている。総理を直ぐに辞めると言ったおじさんが、居直ってTPPに加盟をなんて馬鹿な事を言っているようだ。コメを全量買い上げで米作り農家を守ってきた保守的政策が良いとは言わないが、安いからと言って外国からコメを買えば良いと言うものではない。もし本当に10年後にそんな事態になっているとしたら、311をきっかけにして日本が変わったとせざるを得ない。

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