2011年6月1日水曜日

「風評」被害ではないだろう

原発事故の関係で農水産物や観光産業の風評被害が社会問題になっていが、これを風評被害で括ってしまってよいものだろうか?我が家では「風評ではないだろう」と話しあっている。学者の多くではないかもしれないが、少なくとも中部大学の武田邦彦氏は「福島県全域の農作物については、1年間は出荷しない方がよい。即ち食べてはいけない。」としている。更に、この間に農地から放射性物質を取り除く事が出来ないと、セシュウムの半減期は30年なので食品としては不適切だそうだ(セシュウムは遺伝子を傷つける発癌性物質)。当然ながら広大な農地の除染は無理と言う事もあってだろう、もっと悲観的な事を言う学者もいる。

こんな状況下で少し慎重な人なら、原産地に福島と表記された食品を敬遠するのはごく自然の事だ。少なくとも我が家ではそのようにして欲しいし、実際そうしているようだ。福島県でも原発から30キロ以上離れて、特段の指定を受けていない農家の人にすれば、実際の取引量が減っている現実に直面して気が気ではないだろう。正に被害をもろに受けているに違いない。そんな事情を見透かすように、補償査定の委員会見たいものが立ち上がり、「風評被害を含めて早めに結論を出したい」と発表、マスメディアが尤もらしく報道している。

「風評」とは根拠の無い噂を指す言葉だが、今度の「福島産農産物が危険」は出所がはっきりしている。特定の学者が根拠を示して指摘している事だ。もしその事が事実無根との確信があるなら、政府は被害算定をさせる前に、司法に訴えて説を流布する学者を逮捕させてでも、風評の流布を阻止すべきである。小生は「風評」と言い続ける政府とマスコミの方が余程インチキと思っている。当然ながら、政府の側にもそういった学者との見解の相違はあるだろう。見解の相違の依って来たる根拠を示さぬまま、政治家が福島産の野菜や果物を口にしてみたところで何の説得力も持たない。

たまたま今週は菅内閣が潰れるかもしれない。うまく彼を退陣に追い込み、代わりに誰がなるにせよ、現段階では新たな原発事故の収拾策は聞こえてこない。婆さん曰く「エネルギー政策を大転換して、今後は全ての原発を停止します。六ケ所村では処理しきれない莫大な廃棄物処理の必要性が生じるでしょうが、それを全て福島第一周辺に集めて処理します。ぐらいの事を言ってみろ。」素人は無責任だから、大胆な発想が可能だ。成程、福島が今後30年以上日本のチェルノブイリになるなら、それも一案かもしれない。

菅に反対する人達も、役人をもっと上手く使うのとか、国際信用を回復する迅速・正確な情報公開なんて聞きあきた。菅に代わったらこうします、とはっきり言わない言えないのは、どっちに転んでも50歩100歩に終わるのではと、うんざりして、老夫婦共に出るのはため息ばかりだ。昨日は東電から「お詫びと節電のお願い」なる立派な印刷物が郵便受けに入っていたようだ。「こんなものを作って、こんなところにばら撒いている場合か!プン プン」怒っていた。

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