2011年3月1日火曜日

愉快犯だろう

大学の入学試験で、試験時間中に試験問題がYahoo!知恵袋に掲載された事実が発覚して、世の中大変な騒ぎになている。どうしてこの事実が発覚したのか経緯を知らないので分からないが、世間の大多数はどうも入学したい一心のカンニング事件として捉えているようだ。本当だろうか?報道されている手口は、スマートフォンを利用した複数犯による犯行との見方が有力で、警察が業務威嚇犯罪として捜査に乗り出したらしい。

今朝のテレビによると、IT専門家なる人が「こうした機器を使った犯罪は、一寸詳しい人なら匿名性が難しい事について端から分かっているので、愉快犯ではなかろうか。」と解説していた。全く同感だ。知恵袋そのものがどの程度利用されているか知らないが、同様のサイトはネット上には多数存在する。その中でYahoo!知恵袋にこの案件が試験時間中の25日に掲載された事を誰が発見して、その人がどうして発見できたのだろう、いつ(28日になってからか)大学当局に通報したのだろう。もし通報者の名前が特定されていなければ、それこそ変ではないか?

素直に考えればYahoo!知恵袋の宣伝じゃないかとさえ思う。まさかれっきとしたYahooがそんな事をする訳も無かろうが、今時の若者がこんな七面倒な努力をしてまで、例えば立教辺りに入学したいと思うものだろうか?大学当局に通報したのも共犯とすれば、相当な人数のグループになる。これを愉快犯と言えるかどうかは別にして、ネット社会の生態や行動原理は、小生の想像をはるかに超えている。嘗ては、全ての人は何らかの共同体(ゲマインシャフト)や対立概念であった利益社会(ゲゼルシャフト)に帰属されていると教わった。

しかし今やネット社会の著しい発展で、いつでも自由にそのネット社会に出入りし、現実の共同体への帰属意識を無くしつつある人が増えているようだ。大多数の人はこのバーチャルな空間を、映画やテレビのように文化的な空間として楽しんだり、既知の人間との通信手段として利用しているのだろう。一寸ハードなユーザーは従来の紙媒体に代わる情報源としているかもしれない。何れも現代版文明の利器だ。

しかし、知らぬ同士が小皿叩いてちゃんちきおけさ~ではないが、バーチャルなネット社会の事象がそのまま現実社会とごっちゃになって、頭がおかしくなる人間が増えているのではないか。最近訳の分からない犯罪が増えているが、ネットの影響があるのではないか。愚考するに秋葉原の大量殺人事件は間違いなくネットの影響だ。今度の入試問題の漏えいもその一つで、犯人を突き止めて罰し、対策を講ずれば済む問題ではないと思う。

アフリカ諸国のデモ騒動もネットの影響が大と報ぜらる。これは民主化にとって結構結構と解説されるが、結構とばかり言ってはいられない面もある筈。勝手な想像だが社会の病理現象として、新型の多重人格者が大量に発生している可能性が無いだろうか。難解なテストで選抜を行う大学入試なんかチャンチャラおかしくて、と思う若者も沢山居て、中には学力では本当に優秀な子もいるかもしれない。そういう子には文明の利器を余りおかしな使い方をしてほしくないが、それをどうやって教えたらいいのだろう。

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