2010年7月28日水曜日

延びれば目出度いか?平均寿命

厚生労働省は26日、2009年の日本人の平均寿命は女性86.44歳(長寿世界1位)、男性79.59歳(長寿世界5位)で、いずれも4年連続で過去最高を更新したと発表。ある意味で目出度い話かもしれない。昨夜も「俺も人並なら、後10年程は皆さんの御厄介になって生き永らえる事が出来るかも知らんな。」と言うと「大体そういう事を言い始める人に限って、人の迷惑顧みずではないけど長生きをしがちなのよ。」といつもの会話になった。

今月の初めに読んだ40年前の朝日新聞夕刊のコラム「今日の問題」によると次のように書かれている。
>戦争の後で「アメリカ年齢」なるものが言葉が出来たように、それまでの数え年を満年齢に代えて「一億総若返り」をした事がある。その上、今では私たちの平均寿命も、男が65.2歳。女が69.9歳にまで伸びた。「人生僅かに50年」は明治と共に遠くなりにけりで、メデタイことには違いない。1961年1月7日<

長生きは昔も今も当事者にとっては目出度い事かもしれないが、社会共同体からすると、昔でいえば姨捨伝説のを持ち出すまでも無く、現代でもちと「はた迷惑」が本音ではなかろうか。この数日は日中よたよたと町中を彷徨する老人は減っているが、老人の熱中症による家の中での死亡数がうなぎ昇りだ。自分も転んで怪我をしているのだから偉そうには言えないが、歳を取ると五感のセンサーやバランス感覚が劣化してくるのに気がつかない事は間違いない。

要するに先祖がえりで、段々子供と同じになっていくわけだ。「子供を社会全体で育てよう」は良いが、年寄りはそうはいくまい。平たく言えば「社会全体で気持ちよくあっちの世界に送りだそう」の仕組みが出来ても不思議はない。平均寿命も最早延ばせば良いと言うものでもなかろう。今月発売の文藝春秋8月号の巻頭随筆のトップに御年90歳の阿川弘之氏が老いさらばえて生きる辛さを書いているが、鬼気迫るものがある。

氏も海軍の軍人さんだから、若い頃はきっと溌剌としたものだったろう。それが幾つくらいからこんな気持ちになるのだろうと思いながら読んだ。自分なりの結論は「友」に尽きるだろう。父や母は共に90歳まで生きたので、それにあやかりたくて健康には相当に気を使っているが、これからの人生でもっと大事に考えなければいけない事があるようにも思う。暑さでボーとなって何を書いているか自分でもよく分からないままに・・・・。

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