北アルプス 針ノ木雪渓 7月17日


先週の木曜日の日記に書いた通り、梅雨明けの予感を受けて山行きを決めた。目的地は昨年悪天候のため途中まで行って登頂を諦めた北アルプスの山々である。先ずは計画づくり。自宅の控えと扇沢登山口への提出用に下記の通り作成。婆さんには帰宅は20日になるかもしれないと言っておく。

7月16日 黒部ビューホテル前泊 電話:0261-22-3515
7月17日
 扇沢6:00 → 針ノ木小屋→蓮華岳→針ノ木小屋泊(電話なし)16:00 
7月18日
 針ノ木小屋発6:00 → 針ノ木岳 → スバリ岳 → 赤沢岳→鳴沢岳
 →新越山荘泊 (連絡所0261-22-1263)
7月19日
 新越山荘発6:00 →種池山荘(連絡所0261-22-1263)昼食→ 扇沢着15:30

16日の夜ホテルに入ると物凄い雷鳴が轟いて土砂降りになっている。これこそ梅雨明けの前兆だろう、と一人で良い気分になっていた。明けて17日早朝、これほど爽やかな朝は無いと言っても良い程素晴らしい天気だ。ホテルで握り飯を用意してくれたので、部屋で携行のみそ汁を作って朝飯とする。5時45分予約したタクシーが迎えに来てくれる。年寄りの贅沢感を満喫して扇沢登山口に到着。登山口で用意した届けを提出すると、昨日撮影した写真で丁寧に登山路の説明をしてくれる。昨年のこの連休に比べると、今年は雪が多いので雪渓尻から峠まで直登が可能です、との事。

6時20分出発、長丁場になるので兎に角ゆっくり歩く、しかし朝飯をしっかり食べてきたので大沢小屋はパス。8時20分雪渓尻出アイゼンを履き、いよいよ大雪渓に挑戦する。真っ青の空と白い雪渓、その中に経路を示すピンクの紅がらが鮮やかに浮かんでいる。昨年雨にしょぼくれながら見たなんとなく灰色っぽい印象の斜面を思い出すと、今回は落石の痕跡も少なく、まるで別の山に来たかのようである。雪渓尻では10人ぐらいの登山客が準備をしていたし、既に斜面も何人かが歩き始めている。そのうちの一人に声をかけて記念撮影のシャッターを押してもらう。

昨年は前後に沢山の登山者がいたので落石がある度に、前方から「らく~!」と大きな声がリレーされてきた。中には一抱えもある大石が傍を落ちて来て肝を冷やしたりした。今年も前日までの大雨だったので、これが一番怖かったが、幸い落石には一度も遭遇しなかった。登山口の説明で、大岩の付近で1か所だけ雪が緩んで少し歩きにくい所あり、だったが、全体的に雪渓はしっかり締っていたので比較的歩きやすかったと言える。しかし2000mを超える辺りからだと思うが、段々歩みが鈍くなる。特に最後の急勾配(標高差にすると150m程だろうか)はさすがきつかった。大概どこに行っても同じだが、小生には2000mあたりが限界で、ただでさえ遅い歩みが一層遅くなる。

今シーズンは歩きながら水分補給が出来る仕掛けも用意したので、なんとか止まらずに歩きたいのだが、ゴール間近では5歩歩いては立ち止まり、10歩行っては又上を仰いで立ち止まるような風情だ。下で追い越してきたグループに抜かれる悔しさに情けない思いもあるが、仕方が無い。兎も角3時間近く掛かって意気も絶え絶えに11時25分やっと峠に到着。

早速針ノ木小屋にチェックイン、受付のおじさんは昨年の事件を覚えていてくれた。丁重にお礼を言ったからでもないだろうが、「かもしか」と言う7人2列の小じんまりした部屋の奥で、布団1枚を独占できる牢名主のような席を用意してもらう事が出来た。既に入っていた3人はやはり布団を独占できる体制であったように記憶するが、案内してくれた山ガールのお姉さんが言うには「布団1枚はこれで最後です。今日はきっと混みますよ。」案の情だ。兎に角山小屋は早い時間にチェックインだけ済ましてしまうことが肝要だ。

今夜の居場所を確保できたので、客が一人もいない食堂に行って先程の山ガールお薦めの最高級ランチ「針ノ木小屋特別ラーメン」1200円也を注文、缶ビール片手に昼飯にする。北アルプスの雄大な景観を眺めがらの缶ビールは何とも言えないうまさだ。チェックインをしている先客も数人居るのだが、部屋で寝ているか、既に蓮華方面に出かけているのだろう。一人しかいない客なので小屋のアルバイト達と雑談、7月1日にオープンしてずっと天気が悪かったようだ。しかし夕べの麓、大町での落雷と雨は峠には来なかったとの事。兎に角、山の天気は、彼等ベテランにも分からないようだ。

ビールを飲んで一休みしてから蓮華に行こうと思っていたが、それは良くない考えだと注意されてしまった。今晴れていても山頂の天気がいつ急変するか分からない。「幾ら往復2時間と言っても馬鹿にしてはいけません、雨具だけは必ず持って行って下さいよ。」この話を聞いて食後の一休みはお預けにして12時半に再び山登りを開始、蓮華岳に向かう。前から花の山とは聞いていたが、山頂付近はコマクサの群生とミヤマキンポウゲとヨツバシオガマ同じ場所で群生しているのが印象的だった。更にラッキーな事に子連れの雷鳥を写真に撮る事が出来た。これは夕食後相部屋の人に大いに自慢が出来た。


もう一つ感心したのは、昼にあんなに晴れていた天気が1時半頃になると急に雲が出てきて雨が降り出した事だ。小屋で注意されていたので雨合羽は持っていたのだが、シャツは元々汗でぐっしょりだから合羽を出さずに降り始めた。しかし登ってくる人は勿論、降り客も殆ど合羽を着用している。確かに一時かなり強く降る気配はあったが、結局小屋に就く頃は雨はやんでいた。着ていたものを乾燥室に入れ、厚着に着替えて再び外に出る。足元から始まる雪渓の急勾配は、よくこんな急な所を来たものよ、我ながら感心してしまう。もう夕方と言うのに未だ喘ぎながら登ってくる人を見ながら、この人たちはどんな計画で来たのかと余計な心配をしたりするのも面白い。西北に連なるアルプス連峰は雲間に殆ど隠れているが、明日の天気を祈りながら又ビールを飲む。

夕食は5時半、我が部屋が1番に呼ばれたので明るいうちに終わってしまった。消灯は多分8時かもう少し遅いと思うのだが、みんな行儀が良い人ばかりで、7時前には電気を消して全員寝てしまった。

<続く>

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