2010年6月15日火曜日

親の顔が見たい「漫画ネタバレ情報局」

現在仕事で若干ホームページ制作に関わったりしているので、IT技術者のリクルートについては常に関心を持っている。既に小学生時代からパソコンに触る時代になっているので、若くして優秀な技術者が出現する事は不思議ではない。しかし今日下記のニュースを知って正直びっくりしている。この報道からすると逮捕された中学生は我社のスタッフ程度のホームページ制作技術は完全にマスターしているだろうし、遠隔地の仲間とどのように知り合ったか分からないが、サーバの共有管理する事などについてもかなりの知識を持っているようにも思われる。

以下は「スポーツ報知」が今朝配信した記事の引用である。
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京都府警ハイテク犯罪対策室は14日、人気漫画「ONE PIECE」などを、雑誌の発売前に動画投稿サイト「You Tube(ユーチューブ)」にアップロードしたとして、名古屋市中区に住む中学3年の男子生徒(14)を著作権法違反の疑いで逮捕した。府警によると、ユーチューブへの違法投稿の摘発は全国で初めて。雑誌を発売前に手に入れ、投稿を繰り返していた。

男子生徒はページごとにデジカメなどで写真を撮影し、ユーチューブに投稿。数秒ごとに画面が変わり、物語を読むことができるようにしていた。一方で「漫画ネタバレ情報局」と題した自身のブログやツイッターでアクセスを促し、出版社から削除や警告を受けても新たなIDやパスワードを何度も取得して再投稿。府警は悪質性が高いと判断し、逮捕に踏み切った。

漫画はほかに「週刊少年ジャンプ」(集英社)掲載の「NARUTO」「銀魂」、週刊少年サンデー(小学館)掲載の「Major」。いずれも人気作品だが、男子生徒は、発売済みの漫画ではなく、掲載誌を発売前に事前入手して違法投稿していた。「ジャンプ」の場合、月曜日発売だが、前日や前々日に手にするどころではなく、4~9日も前に入手。発売日の翌日に早くも翌週号の内容を投稿していたこともあったという。

「ネタバレ情報局」のブログは佐賀県の高校1年の男子生徒(15)、沖縄県の中学3年の男子生徒(14)と共同管理しており、府警などは違法投稿の認識があったか2人から任意で事情を聞くとともに、逮捕された男子生徒に共犯者がいなかったか捜査を行っている。==================<

ここに引用しなかったが、この投稿によって出版社が被った被害額は20億円に上るとされている。このサイトを見た人間が全員出版物を買ったとすればと言う事だがそれほどにこのサイトへのアクセスが多かった訳である。ホームページの制作や管理に携わる身としては実に羨ましい。ところで、加害者であるこの生徒はこの事で何を得たのか或いは得ようとしたのだろうか?それがイマイチ良く分からない。

更に警察でも不思議に思っているようであるが、発売前の雑誌のコンテンツを入手している事。これは不祥事を起こした雑誌の大広告主や政治家が躍起になる事である。IT技術とは別の問題であるが、この経路を確立するのは相当な能力が必要になる筈。雑誌業界を裏で操る広告会社の電通の総力をもってしても難しいとさえ言われている。裏にもっと別な共犯者がいて報道されていない意図などがあるのかもしれないが、驚きと不思議さがないまぜの複雑な気持ちがある。

今朝婆さんがいみじくも「親の顔が見たいわねえ」と言ったが、これは「どうしてこんなにご粗末な子が?」でなくて「どうすればこんなに優秀な子が出来るのだろう?」との意である。爺も全く同感で、仮に愉快犯であったとすれば少年に逮捕歴の烙印を押す前に何らかの手段がとれなかったのか?と残念でもある。毎度の話だが、新聞社と警察は一蓮托生グルなので警察は都合のよい事件だけをメディアに発表する。

今回の事件が果たして発表するに相応しい事件だったのだろうか。もし彼が単純な愉快犯でIT技術者として本当に優秀あるとすれば、彼の将来や日本にとっても有為の人材であったかもしれない。宇宙探査船「ハヤブサ」の地球帰還ニュースと並べて見たので、一層複雑な気持ちになった事がお分かりいただけるだろうか。

7 件のコメント:

俊介 さんのコメント...

考えされられる事件ですね。
日本には資源がありません、その代わりたくさんの優れた
技術をもっています。
それを支えるのが技術者です。
現在の日本ではそれを育て上げてゆくべきですが、
残念なことに他国よりも遅れていますね。
そのような少年の優れた面も考慮し、将来の人材育成の
ためにも、もっとよい方法があったのではと思いますね。

kiona さんのコメント...

動画という型式は暫定的なものかもしれませんが、 iPad や kindleなんかの電子出版が注目されますね。 漫画家本人が直販できるということです。 素人がボランティアでアップしてタチが悪いと表現されるのに、 Apple や Amazonが既存の出版社を出し抜いても逮捕は愚か賞賛されることでしょう。

著作権はそもそも著作者の権利を守るものであって、 出版社の利権を守るものではない。 著作者と読書の両方がハッピーであれば、 出版社がつぶれようが時代の流れというもので、 そこのところを誤解してしまうとまた日本は後退してしまうでしょう。

奥様のリテラシーは正しいと思います^ ^ 被害額は20億円って、 YouTube見たからって250円のジャンプを買うのやめるんですかね。 だとしたらワンピースやNARUTO以外に売りはないということでもありますね。 この数字は怪しいです^ ^

senkawa爺 さんのコメント...

俊介さん KIONAさん
コメントをありがとうございます。

私自身は電子技術の進歩進化についていけませんが、若い方は楽々とそれを消化して新しい発想をを持つのだろうと推察します。当然そういった世代と我々の世代間には若干価値観の違いも生ずる筈です。

大人達は社会の多様性をよく理解したうえで、日々社会で発生する事象を観察する必要性がある筈です。

しかし現代の報道は二言目に「市民目線」を強調するばかりの薄っぺらさで、社会現象への深い洞察が感じられないのが残念です。

この日記へのアクセスが過去最高になりました。タイトルのせいなのでしょうか?若い方の目にとまったすれば光栄の至りです。

俊介さんからも初めてコメント頂き感謝しています。これからもよろしくお願いします。

佳之 さんのコメント...

原稿の入手経路など、
不明な点が多々ありますが
出版社からの削除や警告を無視して
違法行為を繰り返していたのだから、
逮捕されても仕方ないのでは?

「少年に逮捕歴の烙印を押す前に何らかの手段がとれなかったのか?」
警察が捜査をして、悪質な違法行為が
有るにもかかわらず、
逮捕しないという事の方が問題ありなの
ではないでしょうか?
逮捕された少年自らが
その前段階で、警告に従い違法投稿を
止めておけば、逮捕は免れていたでしょう。
少年ということだけで、
許されるものではないと
私は思うのです。

KIONA氏のコメントに
「著作権はそもそも著作者の権利を守るものであって、 出版社の利権を守るものではない。」
とありますが、
作者と出版社が契約を結び、
著作を週刊紙に掲載、販売をする
これは、ごく普通の商行為であり
それを、今回の事件で
正当な商行為が妨害されたのです。

出版社の利権?
何の事を言っているのでしょうか。

匿名 さんのコメント...

佳之さんのコメントは少し論点から外れているようですね。
確かにKIONAさんのコメも間違っているところはありますが、ここでの論点は警察がマスコミにこの情報を伝えるべきであったかどうかです。あなたの言っていることを否定するつもりはないですが、少年ということだけで許されるどうのこうのという問題ではないです。頭を冷やしなさい。

佳之 さんのコメント...

匿名さんへ

「ここでの論点は警察がマスコミにこの情報を伝えるべきであったかどうかです。」とありますが、これだけ、違法投稿が有るのであれば
今後の抑止力として(効果の程はさておき)
マスコミ発表があって
しかるべきだと思います。

これが、成人であれば間違いなく
実名報道されるでしょう。

「あなたの言っていることを否定するつもりは
ないですが」と言っている割には、
「頭を冷やしなさい。」 とは
随分、居丈高な言い方ですね。
あなたの意見は意見として承りますが、
説教される謂われはございません。

出版社社員 さんのコメント...

いまさらながら。
入手経路ですが、電通などの広告代理店ではなく、印刷会社や製版会社などではないでしょうか?
確かに、広告に関するページについては相当早いタイミングで代理店に渡りますが、マンガなどといったいわゆる編集扱いのページ情報は、せいぜい発売2,3日前にしか手に入りません。まして週刊誌であれば、印刷に取り掛かるのが1週間前くらいですから、おのずと流出経路は分かるのでは?