本日はご用納めモード。得意先にあいさつに出向くと、「まだ少し早いよ」てな顔をされてしまった。挨拶周りも簡単に済んで、後は床屋さんで散髪に回ると、ここは流石に年末らしく大分混んでいた。事務所に帰ってからは年賀状の準備。と言っても、物ぐさそのもので殆どパソコン依存、誠意のな事夥しい。それでも罰があたって2重印刷やら喪中の人への宛名を書いたり、10枚ほど無駄にしてしまった。これも毎度の事で、お年玉抽選会が終わるまでこのまま置いて、番号確認の後に郵便局で切手と交換している。
床屋さんでも言っていたが、最近は大みそかまで店を開けていても、大みそかは却って客が少ないのだそうだ。「31日は夜7時過ぎまで店は明けていますが、夕方過ぎると殆どお客さんは見えません。一昔前までは元旦の早朝までの営業で大変だったのですが楽になりました。」との事だ。
私も20年前程前までは広告会社で営業マンをしていた。当時のことを思うと25日のご用納めモードはの夢みたいな話だ。官庁関係の仕事もしていたので、この時期は毎晩遅くに役所を回って差し入れをしなければならない。各官庁で予算にかかわっているセクションでは、秋には殆ど結論の出ている予算について、正式に大蔵省から内示されるのを只管待っているのだ。大蔵省の主計局の官僚がまた相当なもので、大体昼頃出勤して来て普通の人が帰宅する時間帯になると、各官庁に資料を持ってこいと言ってくれる。場合によってはそのとばっちりがこちらに飛んでこないとも限らないので、待機している姿勢とおべっかを兼ねての差し入れとなっている。
予算編成期と称する一種のお祭り見たいものだからたまらない。この間予算官庁の官僚は担当主計局の官僚をご接待したりする。役所の方にも食糧費なる官官接待予算があるとは聞いているが、我々が陪席の栄誉にあずかり、代わりに料理屋の設営などする機会がしょっちゅうだった。これがまた面白くて、何故か主賓が主計局主査クラスだと予算官庁は最低でも課長が接待する格好を取り、主計官になると
接待側は局長クラスでなくてはいけないのだ。設営側の我々にとって厄介だったのは、大蔵の官僚は忙しいと称して6時や7時の食事時間には来てくれない。そりゃそうだろう、昼間まともに仕事をしていないのだから、夜になったら少しは格好をつけなければならない。
こちらは課長以下雁首を並べて銀座あたりの料理屋で待つうちに、女中さんが「お客様がお見えです。」と案内してくるのが9時過ぎはざらであった。料理屋の調理場にしろ女中さん達にしろ昭和の末頃になれば皆通いの勤めだ。閉店時間も大体10時としたものを拝み倒して遅くまでサービスしてもらわなければならない。そのためには普段から高級な料理屋に顔が利くようになっている必要がある。思えばこちらもそれを楽しんでいたのかも知れぬが、随分馬鹿な事をしてきたものだ。年末ぎりぎりまでこの馬鹿騒ぎをして、大蔵が予算内示をしていた訳だ。この間政治家が何をしていたかと言えば、内示の前日に大臣折衝と称して大蔵大臣と15分くらい顔を合わせて予定の百億前後が復活したというポーズをとる。出来レースなんてもの以上にたちが悪い。
予算を付けてやると威張っていた財務官僚は今どのような立ち位置を取っているのだろうか。官官の談合体質は少しは改まったのだろうか。どうも報道を見る限りは、与党の政治家も官僚のしぶとさには敵わないと言うか相当丸めこまれているようだ。自分の部下たちがテーブルの下で手を握り合って味方と敵が入り混じって連絡を取り合っている筈だ。この連絡を絶ち切る事はどうしても出来ないだろう。
現政府の政治家が良く働いているのは分かる。しかし政務3役に本当の情報が上がるようになるのは河清百年の感無きにしも非ずだ。部下が必要だと言うものを「切れ!」と言うだけの度胸を持った政治家は残念ながらまだ見当たらない。官僚が差し出す生贄を国民に見せるのが精一杯の所に違いない。やっぱり法律と言う堀に守られた官僚城は難攻不落にも思えてくる。それはその筈で、明治20年からこちら殆ど全ての法律作成を官僚に任せてきたのだから仕方がない。
マッカーサーでも落とせなかった官僚の城だ、誰一人血祭りに上げないで革命は無理だ。革命なら人殺しのような超法規的手段が必要と言う事になる。100人やそこらで城を引き取る事が出来る筈はない、10倍の人数は必要でないかえ。自民党との違いをもっと明確にしてなめられないようにしないと。「官僚に国会で答弁させない」程度では駄目だよ小沢さん、せめて政権を取った瞬間に次官以上の首を取るべきだったかも。そうすりゃ宮内庁羽毛田、駐米大使の藤崎なんて奴輩の雑音も出なかったろうに。
仕事終わった気安さで少し過激になりすぎた。
2 件のコメント:
昔話ですが、これは面白かった。
takさん
コメントをありがとうございます。
takさんも昔を思い出すと色々ありますでしょう。
MOF担なんて言葉、今は何と言うのでしょか?
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