昨日小学6年生の孫が熱を出して学校を休むことになったようだ。半月ほど前にクラスに新型インフルエンザが発生したので学級閉鎖になったとかで、こちらに遊びに来ていたばかりなので少し心配ではある。家内も早速飛んで行った。19時過ぎたので家内が帰宅したか聞くのを兼ねて娘に電話をすると、取りあえず孫の熱は大分下がっているとの事。一安心であった。
昨日は例のワクチン接種の開始日(と言っても医療従事者だけで、東京ではそれもまだ始まらないらしい)と言う事もあり、医者は大混雑をしているらしい。娘はそんな所に行くと何に感染するか分からないので、との事で家内が持って行った「生薬配合カイゲン顆粒G」を飲ませただけらしい。夕方には食欲も出たようで婆さんの手料理を味見して喜ぶ顔を見て家内も帰ってきたようだ。一学年下の弟もいるが、彼は一,二か月前に新型でないインフルエンザに掛っている。
私自身も風邪をひきやすい体質なのか、仕事を休むところまではいかないが風邪をひかない年は無いぐらいだ。65歳くらいからはおまじないのつもりで毎年秋にはインフルエンザ予防のワクチン接種をしている。今年も今月早々に済ませた。思えば今回のワクチン接種の大混乱は4月の「豚インフルエンザ水際阻止大作戦」に源がある。小生はインフルエンザと風邪の違いも良く分からない方で、ワクチン接種の後で「風邪をひかないように気をつけて下さい。」と言われて目を丸くしている口だ。
ただ風邪もインフルエンザも怖いので、日々の関連報道には結構踊らされているかもしれない。しかし最近の報道内容は半年前と比べると随分変わってきている。先ず騒ぎになったと言うか騒ぎになっているインフルエンザは新型ではあるが弱毒性で、季節性のものと比較して死亡率が大きい訳ではない事がやっと報道されつつある。発熱外来に於ける受診制度と言うのも各地で有名無実化しているらしい。その代り娘の掛り付け医も大繁盛のようだ。
特に仙台市では当初より厚労省の通達を無視して医師会、保健所、感染症研究者が一体となって検討した結果、やばいと思った患者はなんでもいいから掛り付け医に行く事、その医師の判断で必要があれば保険所にDNA鑑定を申請する事に決め、これが非常にスムースに機能して未だに死亡者はゼロとの事。これは直近の「サンデープロジェクト」(テレビ朝日)で知った。
もっと遡ると、水際作戦は全く意味が無く、医療器具メーカーを儲けさせて医療従事者を疲弊させただけと言う事が明らかになっているにも拘らず、厚労省は方針の転換をしていない。政権が変わっても官僚の既定路線をやめさせるのは余程大変な事ようだ。この問題はさておき、ウィルスの感染は防ぎようがないらしい。潜伏期間などを考えれば感染しても自覚のない人は多いだろうし、考えてみれば当たり前だ。
しかし多くの感染者は軽症のまま回復するらしいとも言われている。少し安心、我が孫もただの風邪ではなくて新型であった可能性もひょっとしたらあるだろう。もしそうであれば免疫が出来てワクチン代が助かるかもしれない。その他全く角度のちがう情報で気になったものがある。慶應義塾大学医学部漢方医学センター長:渡辺賢治氏の意見である。要は新型であろうと早いうちに飲めば有効とされる漢方薬原料の不足を嘆いておられる。私の掛り付け医も風邪や山登りの筋肉痛には漢方を良く処方して下さるので注目した。
以下は下記からの引用である。
[Japan Mail Media] No.552 Extra-Edition5「医療に対する提言・レポート from MRIC」
慶應義塾大学医学部漢方医学センター センター長:渡辺賢治
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前略:
麻黄湯がインフルエンザ治療として、何故表に出てこないのであろうか。一番の理由は原材料の供給である。麻黄湯の構成生薬は麻黄(まおう)、杏仁(きょうにん)、甘草(かんぞう)、桂枝(けいし)である。このうち麻黄、甘草は中国の北部の野生品に頼っており、収穫量に限度がある。また、現地の人たちは生活のために乱獲するが、計画栽培をしないで掘りっぱなしのため、掘った後が砂漠化し、大きな環境問題となっている。そのため中国政府は、1999年以降麻黄・甘草の輸出を規制している。 それに加えて中国の経済発展と元高基調は、生薬原料の価格を押し上げている。さらに下記に述べるような世界的な伝統医学見直しの時期に来ており、欧米での需要が急速に伸びているために、限られた生薬資源の配分バランスが崩れつつある。
このような生薬の不安定な供給状況で、投機的資本の介入により、価格が高騰する危険性もはらんでいる。 2002年にSARSが流行した時に、タミフル(シキミ酸)の原材料である八角の価格が10倍に高騰したと聞く。
もしも新型インフルエンザに漢方薬が良いということになり、原価が高騰したら日本の漢方メーカーは大きな打撃を被ることになる。ただでさえ資源の問題、砂漠化の問題で、中国は甘草、麻黄の輸出を問題視している。甘草は漢方薬の7割に使われている大事な生薬であり、理不尽な価格高騰が起こった場合、わが国の漢方製剤の生産そのものに与える影響は大である。
後略:
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