2009年4月3日金曜日

思考停止社会~「遵守」に蝕まれる日本 (講談社現代新書)

今まであまり関心を持っていなかった事について面白そうなので読んでみた。法律については長い人生ほとんど無関心で過ごしてきたが、大方の人はみな同じであろう。 著者は元検事だから一般時とは逆にその方面の専門家である。

法律は社会を安心で公正なものにするために我々凡人が知らなくても存在し、司法や検察等の準司法機関はその番人として機能している筈である。 ところが運用の実態としては、これが目的にかなって適正に運用されているとは言い難い面があるようだ。

特に経済司法(ライブドアや村上ファンド事件など)なんかの場合、日本の場合法律や司法の専門家が仕組みの変化についていけない所があって的外れな判定を下している危険もかなりありそうだ。同様な事は食品偽装と言われる事件なんかにも起きている。

関連して言える事に事件に関する報道の姿勢のあり方、これに強いインパクトを受けた。要するにいったん火が付くと、事実を無視、又はそれこそ切り張りによる捏造で張り煽ぎで犯人をでっちあげていく。今まさに問われなければいけない日本社会の病巣をえぐっている。

政治事件への言及はないが、似たような雰囲気があるのではなかろうか。小冊子ではあるが大きな示唆を含んでいる。

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