2024年8月26日月曜日

世論調査

 ある意味で世界的傾向だと思うが、世論調査が大流行りだ。この調査は本来調査理論に基づき行われるもので、一定の調査対象に対して理論に基づくサンプリング(標本抽出)をして、そのサンプルを調べた結果を全体に当てはめるのが基本。従ってAなる新聞社の読者が対象であれば、Bなる新聞社の読者調査とは大分異なる結果になるのが当たり前。何故冒頭にこんな話題を持ってきたかだ。実は大学を卒業して最初に就職したのが小さな広告代理店。「家の光」と言う農協(現在のJA)の機関誌を発行していた出版機関の専属だったので、顧客は総て農業関係だけ。

その中で有力な農機具メーカーの依頼で請け負った農村調査なる仕事が、仕事始めとも言える。大学では社会調査など全く勉強してこなかったので、慌てて当時その方面では有名だった一橋大学の南博先生に教えを受けた記憶がある。その記憶の一部が脳に残っていた訳だ。続いて記憶をたどってみよう。調査の目的が出てくる。これは仮説の証明だ。例えば「現代人は自民党を支持している」でも良い。この仮説を証明するために、日本社会をどのように層化し、どのようにサンプリングすべきか。これだけでも相当な理論が必要で膨大な時間を要する筈だ。

言ってみれば労力並びにコストが掛かり過ぎるので、A新聞社の都内の読者に限っても良いだろうし、特定の選挙区の住民に限っても面白い。何れにしても、科学的には社会調査は一定の仮説があって初めて成立するものだから、テレビ画面に3行か4行纏められた結果はどれも信用すべきではない。世界で流行の選挙の当落予想も少し邪道だし、自分自身の判断力を信じてれば良いだけのことで、他人なんかどうでもいいではないか。

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