2023年3月14日火曜日

実力差

 居住地東京都豊島区、そこの区長が先月亡くなっていたことを昨日はじめて知った。平成11年から6期目の途中、86歳。区長は選挙で選ばれているので偉いものだと言わざるをえないが、選んだ我々選挙民の見識にも少し問題があるかもしれぬ。現在副区長が代理を務め、次の選挙は来月23日とのこと。

区長のことと少し関係するが、大阪で始まっている大相撲を観ていてふと思った。スポーツや囲碁将棋チェスなどの勝負事は、選手たちの実力を観戦者である小生のような素人でも感じることが出来て、その感じは当たらずともそう大きくは外れていないだろう。選手たちの感じもほぼ似たようなものだと思う。しかし選挙に立候補する政治家の力量、実力の判断は難しい。選挙の度に候補者は自分の能力を披瀝して投票を乞うが、有権者はそれをどこまで本気で受け止めるか大分疑問だ。

もっと重大な問題は自分自身のこと。80年以上生きてきて人様から特に感謝されたことも無く、自分でもなにか成し遂げた思いもゼロではあるが、兎に角生きている。これを如何に評価すべきが悩ましい。思い切って誰かのマネで「自分を褒めてあげたい」なんて言おうものなら多くの知人友人の失笑を買うだけだろう。自分のことは取り敢えず忘れて、政治家のことに戻ろう。

政治家の演説を聞いて思うのは、日本の政治家の演説に窺える自信の無さ。或いは裏返しの尊大な勘違い。比べて中国の政治家の演説はいずれも自心に満ちていて気持ちがいい。国柄の違いと言ってしまえばそれまでだが、たまたま10日近く全人代会議が続いたので多くの演説の一端を知る機会が多かった。トップの習近平氏はもちろん、2番手の引退した李克強氏や新任の李強氏、外交トップの王毅氏や新任の外交部長秦剛氏などの演説、或いは記者会見での質疑応答は聞いていて小気味がいいくらい明快だ。

自分の役割に自身が無くてはあそこまで言えないだろうと思うことが多々ある。振り返って日本の政治家の発言を取り上げたいが、岸田首相は言うまでもないから除外する。比較的自信有りげなのは河野太郎氏、萩生田光一氏、現在霞んでいるが小泉進次郎氏くらいかと思うが、彼らとて本当に要職を担える程には勉強が足りていない。ところどころで大きなミスをしてしまう。勝手に想像すると、日本の政治家は豊島区長と同じで選挙で選ばれる。選ばれた途端に周辺を他人がサポートに回るので本人が勉強する暇が無くなるのだろう。

今回中国の首相に抜擢された李強氏の言葉で印象に残ってる一節「人民はGDPの数字に関心は無い。あるのは雇用とか医療とか教育問題。これらの問題はネット上に多く現れる。よって私は暇を見つけてネットをよく見るようにしている。」

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