2023年1月4日水曜日

仕事初めに

 今日から仕事始めだから今年の世相を俯瞰してなにか書こうと思ったが、正月三が日でまともな話ができた相手は娘夫婦と孫たちだけ。この中から伺い知れることは無きに等しい。強いて言うならば、競馬の世界では北島三郎氏の持ち馬が相変わらず強いとか、日銀総裁交代の年で、本来なら日銀生え抜きが就任しなければならぬが、もうそのような慣習は通用しそうにないとか、およそ浮世離れした話題ばかり。今年から社会人になる孫に至っては「俺は3高の女性を見つけるために一生懸命勉強してきた。」とのこと。

「お前それは違うだろう、3高は女性が男性に求める条件だ。」「昔はそうかもしれないが、俺は女性に稼いでもらって家事をしていたい。」と言われて返す言葉に窮した。我が家は小生を筆頭に変わり者揃いなので、一般論を月刊文藝春秋新年号から引用したい。うまい具合に創刊100周年特大号で「100年の知に学ぶ」大型企画があり、その冒頭で佐伯啓思氏(京都大学名誉教授の経済学者)が書いてくれている。没落の予言とサブタイトルがあるので分かり易い。

日本の個別課題、即ち財政、イノベーション、所得格差、福祉、高齢化、教育、災害、環境、エネルギー、少数派の権利、安全保障と個別の問題は幾つも指摘は可能で、それぞれの分野で巷に評論家の意見は溢れるが、本当の課題が何であるかははっきりしない。そこで佐伯氏は問題をトータルに見る文明論の欠如が問題だと指摘をする。この理屈は学生時代にたまたま社会学なるコースに入った小生には大変興味深い。戦後想像もつかなかった豊かな社会になった日本。その代償に日本人は思考力、判断力、倫理的能力の衰弱と幼稚化に見舞われている。即ち、大人が子供を引き上げようとせず、大人が子供に合わせようとする社会の出現である。

氏の論文は未だ延々と続くが、小生が感銘を受けたのが上記の部分で、冒頭孫との会話からも理由の一端を思い知っていただけると思う。佐伯氏は日本人は西欧文明を見つめ只管グローバリズム一辺倒に陥らず、日本という国家の独自性を考え直せと訴えて結論を締めくくっている。これも同感するところで、日本人としてなんて大げさに構えなくても、これからは他人の意見を聞くのは大事かもしれぬが、それぞれが独自性を大事にすべきだと思う。幸い日本は世界中の文化が入り込んでいることだけは確かだ。

今日昼のニューストップが「ホワイトハウス発表:今月13日岸田首相がホワイトハウスでバイデン大統領と会談が決まった」何度会えば気が済むのか、世間の人々はどう思うのだろうか?

2 件のコメント:

雲の平 さんのコメント...

明けましておめでとうございます。お元気で新しい年をお迎えで
なによりと思います。今年もよろしくお願いいたします。
長野は雪は少々ですが寒い朝です。3ヶ日は娘たちが泊まりに
きたり、お昼みんなで中華を食べ、帰りには善光寺に初詣でを
しまして、あっという間に過ぎてしまいました。
さてそろそろ日常に戻ることにいたしましょう。
今年の計画立案中です。長野へお見えの時はご連絡ください。

senkawa爺 さんのコメント...

雲の平さん
あけましておめでとうございます。
今年もコメントを宜しくお願いします。
今年は懐具合が悪くなりそうなので、年末から財布の紐を締めてかかっています。
長野方面にいつ行けるか分かりませんが、行くときは連絡します。