2022年7月9日土曜日

プロフェッショナル

 昨日と異なり午前中から書き始めている。安倍元首相が暗殺されてから未だ24時間も経っていないが、社会が騒然としている。日頃呑気な爺さんも、流石に昨日の昼から夜9時までテレビにかじりついてたと言っても過言ではない。今朝になっても関連する報道は多いが、未だはっきりしないことも多い。犯人の素性や犯行の動機、背後に組織が存在しないのは事実かどうか等々。

話が少し飛躍するが、ロシアのペスコフ報道官の記者会見はいつも興味深く見ているが、英国ジョンソン首相の辞任記者会見を受けての時も実にユーモアに富んでいた。曰く「英國の首相辞任問題は我々にとって優先課題ではない。ジョンソン氏は我々を全く愛していないし、我々もそうだ。」と述べた上で「「対話を通した問題解決の合理性を理解する、よりプロフェッショナルな人々がいつか英国の政権に就くことを望む」と述べた。昨日の安倍元首相暗殺事件では通り一遍の短い声明で終わっている。

彼に倣えば、安倍氏の事件は優先課題ではないとも言える。ただ日本の世相を反映する鏡のような働きをしてることは事実。政治家は勿論だが、マスコミも公安警察も全てを含めてだ。一言で言うなら全員が「平和ボケ状態」に他ならない。テレビ登場する殆ど全ての人が安倍氏の功績をたたえているが、彼等が口を揃えて言うのが「安倍氏が今回のウクライナ危機を十数年前から見越し、日本の安全保障環境を整える施策を講じ、今なおその先頭に立って旗を振り続けている。その道半ばで凶弾に倒れたことは本人も無念であろうが、私も同感だ。」

小生にはこれが平和ボケの極地にしか見えない。自民党だけではないだろうが、日本の政治は全員がアメリカとの同盟なるぬるま湯状態にあって、日本国民の現在や将来に関して本気で思っている者が居ない。政党自民党は誰かが言うように実に幅広い政党で、何でも問題を解決してくれそうにも見える。市町村議会議員であれば政党を問わず皆似たようなものだろう。しかし、国政を与る政治家がそれで良いわけがない。政治家本来の役割は、国家の行く末を左右する問題を探し当てることにある筈。

問題は毎年更新してますし、選挙に際しても公約として発表済みとでも言いたいのだろう。だから駄目なのだ。サンフランシスコ条約発効以来日本が本気で取り組むべき課題は「国家の自立」以外にあるまい、これがどの程度前進しているか、政治家は胸に手を当てて考えることが必要だ。