2022年1月4日火曜日

チョッカイ

 昨日、アメリカ、ロシア、中国、フランス、イギリスの核保有5か国が、核戦争や軍拡競争を防ぐための共同声明を発表と報じられた。「核戦争に勝者はいない」として、軍事的な対立を避けるため、外交的なアプローチを追求する姿勢を示すとともに、核の拡散防止の重要性を訴え、軍縮に努めていく姿勢を強調したそうだ。この事自体は結構なことで非難には値しないが、一方で核保有国間、分けてもアメリカと中露の対立は昨年来一向に収まらない。

それどころか、ウクライナをめぐる問題、台湾をめぐる綱引きなどは緊張を増すばかり。核兵器を使用しなくても勝てると思っているのか、互いに戦う気配を濃厚に漂わせている。日本の政治家は論じるに値しないが、アメリカ政府の首脳も何を考えているのかさっぱり分からない。アメリカに領土的野心があるとは考えにくいが、中国やロシアにしてみれば、過去1世紀そこそこで失った領土があまりに大きいので、失地回復にやっきになるのは理解できる。

ロシアのウクライナ問題は、戦争して人民を殺傷しながら奪い返そうとしてるのではなく、これ以上領土を減らさないための防護策のように見える。中国の台湾問題にしても現状を強硬に変更しようとはしてない。しかし第三者のアメリカが横からチョッカイを出して、その意図を妨げようとするのでややこしくなる。ウクライナにしても台湾にしても、国内にはアメリカ側に与する、或いは反対側に与する政治勢力存在するのも事実。どちらに正義があり、理屈の筋が通っているかは年寄りには分からない。

日本の政治家にも、そのややこしさを理解できないだろう。にも拘らず闇雲にアメリカの言うがまま軍事協力も辞せずとの立場を取る向きもある。チョッカイは換言すれば「要らざること・余計なこと」だ。日本の外交問題は対アメリカだけに留まらず、なすべきことが多くある筈だ。また一般市民でもチョッカイに同調する人が結構多い。実に嘆かわしい現象と言わざるを得ない。昔から言うではないか「君子危うきに近寄らず」だ。

2 件のコメント:

呑兵衛あな さんのコメント...

私は最近の政治家を目指す人間の志が理解できません。
少し前までなら、大なり小なり国民の為にという思いがあったように見受けます。
自分でも利ザヤを求めたかも知れませんが...田中角栄氏は代表的かもしれません。
ところが最近は、国家のためという考えばかりで、国家の礎である国民は無視です。要するに、自分にとってのかくあるべき国家論なのでは。
とはいうものの、国民にそっぽを向かれたのでは、自分の考えを遂行できない。結果として、仮想敵国を作り上げることで国民の目をそらしているのではと考えます。
ですから、戦国大名が城の補修をしているかのように、刀を収集するように、核兵器を増備するのだと思います。
TOPは使うつもりはないだろうと思いますが、中地半端な立場の軍人が、間違って撃っちゃうとか、ボンボンのTOPをそそのかすとかする面倒なんですよね~

senkawa爺 さんのコメント...

呑兵衛あなさん
昨年も貴重なご意見を多数頂き感謝してます。
今年もどうぞ宜しくお願いします。

国民を無視した国家論の横行、全く同感です。