2021年12月16日木曜日

テレビ

 新聞の宅配サービスを止めて既に久しいが、1台のテレビジョンと1台のパソコンだけで連日世界中からいろいろな情報が伝達される昨今だ。80億人近いとされる人が生活している世界だから、より多くのことを知るのは悪いことではなかろうが、大分ボケてきている年寄りには必要以上の情報量でもある。よせば良いことは分かっていながら、他にすることも無いので毎日テレビは朝晩で合計4時間位、パソコンでも同じくらい所謂報道らしきものを観てるかもしれぬ。

他人の生活時間は分からないが、自分の若い頃を思い出すとティーンエージャーの終わり頃(高校2,3年生)からの約10年くらいは、未だ家にテレビがなかったせいもあり、よく映画館に足を運んでニュース映画や洋画を観て、外国に関する関心を映像として取り込み満足させていた。18歳で上京して10年目となると27,8歳に当たる。この頃になると既に一人で狭い部屋に住み、なんとか小さなテレビも持てたと思う。

当時会社の後輩が言った言葉が未だに記憶にある。「今や家の中に映画館がある時代ですからね。」彼はサボりの常習犯でサボりたがる理由が理解できなかったが、サボって家でテレビを観て満足してたのかもしれない。サンデー毎日の身になって、何となく彼のことを思い出したりする。高校時代学校をサボって映画館に行った。社会人がテレビを観るのは最大のご楽とやっと思いが至ったが、これも既に時代遅れ。

スマホの時代ということを忘れていた。社会人が娯楽を持ち歩くのは当然として、子供たちまでが持ち歩く世の中だ。危険を冒して学校を抜け出すまでもなく、授業を受けながらでも映画を観ることさえ可能ということかもしれぬ。何処の国の人でも80年も生きれば、60年近く前のことなど思い出すのも嫌になるかもしれぬ。多くの人がひたすら明日以降に望みをかけて生きていくのが当たり前だ。

テレビが日夜伝えてくれる様々の情報がその縁となっているのだから有り難いと思わなくてはいけない。一方で、テレビの出現がこの世に及ぼした悪影響も考える必要があるように思うが、言っても詮無きことだし長年テレビのお陰で身過ぎ世過ぎをしてきた身とすれば言う資格は無いかもしれぬ。

0 件のコメント: