2021年3月26日金曜日

既成事実と長期的視点

 報道でご存知の読者もおられるだろうが、「東海」とは韓国が使う「日本海」のことだそうだ。これを北朝鮮の弾道ミサイル発射に関し、昨日、アメリカのインド太平洋軍が公式声明の中で、日本海を韓国式名称である「東海」と表記したとのこと。もちろん日本政府は既に米国政府に日本の立場を申し入れ、訂正を求めていることも明らかにしているが、アメリカ側の反応は報道されていない。これと関連するが、竹島に関しても似たようなことがあるのを初めて知った。

孫崎享氏のメルマガからの引用である。「当初米国は竹島を日本のものと位置付けていたのに、韓国の執拗な工作の後、ひっくり返している。(残念ながらこの事実はほとんどの日本国民は知らない)。」詳しい経緯は省略するが、2008年7月ブッシュ大統領が関与し、韓国大使とライス国務長官の会談で韓国領とすることに合意したとされている。

当時の朝日新聞は「町村官房長官は7月31日の記者会見で、“米政府の一機関のやることに、あれこれ過度に反応することはない”と述べ、直ちに米政府の記述の変更を求めたりせず、事態を静観する考えを示した」と報じている。従って、このことはそのまま放置されているのだろう。アメリカにおける日本のロビー活動が殆ど無いに等しいことは知られているが、法治国家を自称する日本だが、ここまで外交下手では放置と法治の洒落にもならない。

既成事実とは恐ろしいものだ。日本海も放置し続ければ数十年後には無くなり、東海に生まれ変わりかねない。中国や韓国はその意味において執念深いと言うか気が長いと言うか、日本とは大分異なる。政府はコロナ対策なんか典型的だが、問題を処理するに当たって、口先では最大級の形容詞を使って万全の対策を講じてと言うが、具体的に何を言ってるかは分からないし、結局は簡単に場当たり防衛戦を突破されてしまい、二度三度とと同じセリフを聞かされる。

これは今に始まったことではなくて、昔からのことだ。困難な問題に立ち向かう時、先をどのくらいの時間軸で考えるか、中国や韓国との差は大きい。先日の米中外交首脳会談で一躍有名人になった楊潔?(よう けつち)氏。まるで漫画の主人公のようなノンキな父さんだ。齢は70歳とのことだが、20歳代前半からの共産党員英米への海外経験は当然としても、シニア・ブッシュ宅に居候した経験もあるそうで、米語がペラペラ。今回の会談でも通訳に米語で注意をしていたそうだ。

戦いは先ず相手を知ることから始まるのは当たり前。今問題となっている中国や韓国の問題行動が果たして何年前から計画されたことだろうか?一朝一夕で太平洋の真ん中に人工島が出来るはずがないだろう。既成事実の裏に存在する深慮遠謀を知らずに大騒ぎするのはみっともないから慎むべきだ。

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