2020年9月13日日曜日

発信力

 大坂なおみが2度めの全米プロを制した。たまたまテレビ朝日を観ていたので、ほぼリアルタイムで勝利のシーンを見ることが出来た。プロスポーツの観戦にそれほど興味は無いが、それでも嬉しいニュースだった。同じ番組の中でテレビ朝日は彼女が今大会で必ず着けていた黒いマスクについて詳細な解説をしてくれた。今大会で使用したマスクはたしか14枚で、毎回ディザインが異なり、人種差別の犠牲者となった人の名前が書かれていた。

更に言えば、彼女は先月この大会の前哨戦のニューヨークで行われたツアー大会に出場していた。しかし「私はアスリートである以前に一人の黒人です。」と言って準々決勝の試合をボイコットした。それに対して主催者側が折れ、1日試合を延期して再開、彼女も出場して準決勝を勝ち上がり決勝に進むも、結局左足を故障し決勝は棄権していた。このボイコットのきっかけはウィスコンシン州で8月23日に起こった新たな警察暴力事件、車に乗り込もうとした黒人男性のジェイコブ・ブレイクさんが、白人警官に背後から至近距離で7発銃撃された事件にあるが、彼女はそれより大分前から「Black Lives Matter」運動に声を上げていたようだ。

彼女は大阪出身のプロテニスプレーヤーで未だ22歳。活躍し続ける身体能力には誰しも称賛を惜しまないだろう。しかし今回の優勝で彼女が装着したマスクが大きく取り上げられたことで、その社会性とそれに基づく発信力の強さに感動を覚えた。米国において人種差別問題は非常に大きな問題で、日本で報道されるより遥かに大きなものであることを昨日アメリカに長かった友人から聞いたばかりだったので、よけいインパクトが強く、メッセージ性に乏しいブログを発信し続けている身には羨ましい限りだ。

友人が言うには今度の大統領選も、理性的に考えるとトランプ氏が不利とも言われるが、選挙戦でもマイノリティーに対する様々妨害工作、説明すると長くなるが、アメリカには住民票というものが無い。住民は先ず選挙の前に投票する意思表示が必要になる。この段階から日本人には想像できない様々妨害工作が行われることになるらしい。

従って理性的とされるバイデン氏が世論調査で有利であっても、ヒステリックなアジテーションで事実上の選挙でトランプ氏が優位に立つ可能性も大いにあるらしい。外国の事ゆえ詳しい事情は理解しかねるが、これに対抗して大阪なみさんが全米プロテニスでマスクを通して放っメーッセージが功を奏し、反トランプ票が増えることを期待してやまない。

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