2020年5月29日金曜日

日本産業の将来

もうだいぶ昔のことになる。平成15年だったと記憶するが、資本金300万円の有限会社を立ち上げて、10年ちょっとの間それで食いつないでいたことがある。その時に今回のように大規模な災害に見舞われていたら、今の有り様は大きく変わっていたに違いない。

統計上日本の中小事業社数は380万者で従業員数は3000万人強とされている。最近のテレビで「この中小事業社こそ日本を代表する産業」と誰かが言っていた。政府も当然分かっている筈で、安倍首相に「企業を倒産させない、雇用を守り抜く」なんて言われなくても、倒産や失業が目に見えて増え始めているようだ。また私事で恐縮だが、当時の家賃が月に7万5千円、社員はアルバイトが基本的には1人だけ、給料は1日1万円程度だったと記憶する。

その他社外にサポートスタッフがいて、対する支払いがアルバイト社員と同じくらいの企業とも言えないチャチな会社だった。それでもザックリ勘定すれば月に50万円は必要だったろう。2月23日から数えれば既に3ヶ月、今月末を待たずに倒産していたことになる。同じような会社が恐らく1千万社位あるのではないかと推察するが、統計を詳しく調べた訳でない。

仮に1割の100万社が倒産の憂き目を見たら、売上が平均50万円としても月に5千億、年間で6兆円。GDPの15%にもなるので、計算がラフすぎるかも知れぬ。でも政府とすればその程度の想定はしておくのが普通ではないか。どうせ正確な統計は1年以上待たねばならぬだろうし、統計がどこまで実態を正確に反映するかも分からない。要は想像力の問題だが、この内閣高官諸氏の想像力の貧困さは目に余る。

経済再生担当相がコロナ対策担当相を兼任する発想もどこから湧いてくるのか理解しかねるが、とにかく言うことが意味不明だ。己の所管として為すべきことは何も言わず、国民や地方の首長に対する要求ばかり。これまでについては「皆さんのご協力で・・・」としおらしく口を開くが、見通しが立たない問題に関しては「緩みがあるのではないか」とまるで責任の転嫁。国民から緊急事態宣言はなんだったのか、との非難が湧き上がるのも当然だ。

安倍首相は首相で主要20各国首脳会議の席上、「栄光あるオリンピックの開催を!」なんて未だ言っている。世界の首脳はこの言葉をどう受け止めたかマスコミは取材して聞かせてほしい。

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