2020年3月17日火曜日

読後感「ウソだらけの健康常識」
著者 奥村康

ハウツー本を読むことはめったに無いが、友人が態々買ってきてくれたので読んでみた。健康に関するハウツー本であるが、読んで実に嬉しくなった。既に80歳、いまさら健康法でもないだろうが、昔から家内に健康オタクとからかわれていた小生である。50歳代の半ばまでは広告会社勤務のサラリーマンの常として、不摂生の極みを重ね、依って持っていろいろな病気を体験してきた。尿管結石、急性膵炎、痔、痛風、帯状疱疹、胆石での胆嚢摘出等々自慢にならない不名誉なものばかりだ。激痛に耐えかね入院も度々あった。

サラリーマン生活を終えた63歳から、現役時代の生活を維持するためには健康が最重要課題と位置づけ、家内の協力を得ながら生活態度を一変することにしたものだ。先ずしたことが、家の近くに仕事部屋を借りて現役時代と同じように、平日は毎朝家を出て夕方帰宅する習慣をその後10年継続したこと。自分のことだけ考え、酒を控える意味もあってゴルフや社交的交際を殆ど辞めてしまった。食べ物の管理は家内任せにしたことも良かったかもしれぬ。お陰で元気で70歳の坂も無事越えたが、一昨昨年の暮に家内を亡くしたのが痛恨の極み。それでも10年以上培った生活習慣を出来るだけ維持することにしている。

本と関係ないこと長々書いてしまったが、医学博士である著者が、本書の中で我が生活を肯定するようなことを専門的に記述してくれている。先ずサブタイトルが<「不良」長寿のすすめ>と来た。何とも嬉しくなる。著者は免疫学の国際的権威で年齢的にご同輩。医大卒業以来ずっと医学の基礎の基礎を探求し続けてこられていると同時に、世界的に種々の統計に精通しておられるので、健康と病気に関しては内容が万般に及び、生活者にとっては実に有り難い限り。

本書が説くのは先ず、年寄りはもう病気については余計な心配はするな、だ。今更薬を飲んだり病院に行くより、暗くならずに明るく生きろ。に尽きるように思える。残りの人生で苦い薬を飲むより美味いものでも食ったほうが余程マシ。著者の専門知識は素人には理解が難しいが、人間の身体はうまくできていて、自然治癒力がある。換言するなら病原体が蔓延する社会だが、自然体を維持できれば、体内にはそれを迎撃する軍隊も警察も備わっている、この考えは全く同感で、私も病気に打ち勝つには、医者よりも薬よりも自身の抵抗力を失わず若さを保つしか無いと思っている。

最後に本書で初めて得た知識、「ナチュラルキラー」細胞「と小腸と脳は同じくらい重要」との2点が非常に印象深かった。

0 件のコメント: