2018年10月27日土曜日

世界の認識・日本の思い込み

天皇陛下のご臨席を仰ぎ国会が開幕したと思ったら、翌日から総理以下閣僚数名が中国を訪問した。外交であるから中国訪問はかなり前から決まっていても不思議はない。であれば国会の召集時期を数日先延ばしてはどうかと思うが、これができぬ程総理の日程も詰まっていると言うことだろう。お忙しい割には成果と言うか実りの無い薄っぺらな内閣であることだけは間違いなさそうだ。

中国では特に談判することは何もなかった(出来なかった)ようだが、破格の待遇で迎えられたことははっきりしている。総理としては嬉しいだろうが、日本の対中国政策を変えざるを得ないと見る向きが多い。中国が米国との関係で苦しいから、属国日本を引き込むためにすり寄ってきている。だから7年前の前回は苦虫を噛み潰したような顔で会見した習近平首席でさえ、今回は笑顔で握手をしてくれたし、会談もできた格好にはなっている。

だから取れるものは何でも頂く絶好のチャンスだなんて言う識者(解説者)が多い。総理に面と向かって「トランプ氏との関係は大丈夫ですか?」と質問をする記者はいないが、聞かれても「日米の同盟関係は強固なもの」と簡単に答えることだろう。現在でも安全保障関係では南洋で米軍と一体化した訓練を行っているし、少々のお金が出るのは事実だろうが、中国の一帯一路戦略とは一線を画しているから流石日本と評価してくれる筈と思っている節が窺える。

事実テレビに出る評論家は政府御用達の連中が多いから、日本国民に対するメッセージは「漁船衝突事件で関係を悪化させた民主党政権とは大違いだ。これからは中国とのビジネス環境が益々拡大していくことだろう。」概ねそんな様子で胸を張っている。あっちの親分には杯を貰った正式な子分だが、敵対する親分とは盃のやり取りはしないで、その縄張りで稼がせてもらいます。本当の親分には迷惑かけないし、沢山上納しますのでので宜しく頼んます。で済むほど世界は甘いのだろうか?

中東のみならず国際政治の現状と各国首脳の苦悩は察するに余りあるものがある。何れにせよ政府の認識はパラダイス仕様で結構なことだ。

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