2017年6月6日火曜日

暇人

大衆とか群衆が時として大きな間違いを犯してきたことは歴史が証明している。確かに政治において誰かが大衆心理をうまく掴むことが出来れば、大きな政治的勝利を呼び込むことに繋がるのだろう。現政権が正にその好例だった。ところがこのところ、その雲行きが怪しくなり始めているようだ。大衆心理に乗って突っ走り、とんでもない事態に立ち入る前に、大衆側に飽きが来たとすれば結構な話だと思う。

本当に大衆心理をうまく掴むには、口先だけで格好をつけても中々上手くいかない。日本には判官贔屓と言う言葉があるにも関わらず、やはり大衆は強いものに憧れるのだろう。そこで政権はアメリカを利用して、外交面で近隣諸国への強硬姿勢を演出しているつもりだろう。さすがに最近、中国に対しては態度を変える必要ありと感じ始めたようだが、北朝鮮への態度に変化が見られない。残念ではあるが、今後はこれが逆目に出てかねない。

これまで、政権の時代錯誤的な強硬姿勢を支持してきた層に「日本会議」とか「ネトウヨ」と呼ばれるものがあったと聞く。しかしこれらの層が社会の中で占める割合、実態は詳らかではないようだ。日本会議に所属する国会議員が多いことは承知しているが、マスコミはこの層を少し怖がり過ぎていたと聞く。ネット空間でこの種の情報が多いことも知っているが、マスコミに対する抗議電話等はこの層によるものが圧倒的らしく、対応に怖いより面倒くさいが先に立つのが本音ではなかろうか。

つい先日、ネットテレビで社会学者の宮台真司氏による「インターネット世界におけるネトウヨ現象」を聞いたが、ネット空間に存在するネトウヨの存在は約1%だが、彼らの書き込みは20~30%に上るらしい。こちらも暇に任せて、その反対の(何と呼ぶのか知らないので命名してほしいくらいだ)書き込みを毎日しているが、ネトウヨの諸君は結構若い人も多いらしいのに暇な人たちだ。マスコミも暇人を恐れる気持ちは分からぬでもない。

暇人たちの気分で世の中が変化するのも情けないが、大衆の気持ちが変わりつつあることも事実のようだ。併せて、少し政権から距離を取り始めるメディアが増えることを期待しよう。

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