2016年8月23日火曜日

少年憧れの的

昨日のオリンピック閉会式で、次回開催地東京のデモストレーションに日本国総理大臣が突然現れたことに関して、スポーツの政治利用とか何とか大分評判が悪いようだ。総理も長い夏休みを取っていたので、存在をアッピールするには絶好の機会ととらえたのだろう。そんなことはどうでも良いとしよう。今日たまたま図書館に行って、いつものように借り出し図書の到着を待つ間、何となく小学生時代に愛読していた「少年倶楽部」をデジタルアーカイブで呼び出してみた。

何と懐かしかったことか、時は1952年の号を3冊ほどパラパラと見た。内容は何一つ記憶にあった訳ではないが、毎号冒頭に置かれた小松崎茂氏の挿絵(現代的にはアニメ イラストとでも言うべきか)がカラー印刷で今日でも結構なインパクト持っている。終戦から7年しかたっていないのに、テーマがロケットによる宇宙探検であったり、ヘリコプターによる魚群探知が描かれている。世界大戦での敗戦を全く感じさせない明るい絵柄であることが素晴らしいと思った。

またこの年はヘルシンキで第15回夏季オリンピックが開催された年で、春先からオリンピックの派遣選手のことが紹介され、秋になると結果が写真とともに掲載されている。今回のリオ大会が第31回だから、当時の写真がモノクロで判然としない選手の姿だけなのは仕方があるまい。小学校5年生の頃に当たると思うが、中には名前に覚えのある選手もいる。体操の小野喬選手は後に小野清子さんの旦那さんになった人の筈だ。跳馬で2位に入賞と書いてある。

春ごろの号には水泳の古橋選手の名前が出ていたのだが、何故かオリンピックには出場できなかったようだ。でも橋爪四郎選手は1500m自由形と800m自由形リレーで何れも2位入賞。他にも何人か銀メダリストはいるが、全く記憶になかったのはレスリング・バンタム級で石井庄八選手が金メダルを獲得していること。今回のリオでも日本選手はそれなりに活躍して国民を喜ばせてくれたが、60年以上前で、まだ敗戦気分が抜けきらぬ時代のことだ。

国民の喜びようは想像に余りある。水泳選手の写真何ぞ未だ6尺褌姿ですよ。因みにこの年の10月号にナンバーワン・グラフなるカラーページがあった。その1ページを4等分して紹介されていたのが、古橋広之進、白井義男、川上哲治、東富士の4氏。昔からスポーツ選手は少年憧れの的だったことがよく分かった。

0 件のコメント: