2016年5月28日土曜日

政も祭も終わりか

この週末3日間、日本国民は政府演出による見事なショーに酔いしれていたかのようだ。アメリカ大統領を主演に引っ張り出してのショーであれば、耳目は集中するだろうし、観劇者は拍手もするだろう。大変お金もかかった大興業であったと思うが、そのことによってこの国の抱える問題の幾つが解決に向かうのだろうか?問題点は何一つ解決に向かわず、先送りになっているだけのことだ。

何故かオバマ大統領一人が妙に日本政府に協力的だったが、彼も国内にあってレイムダック化している立場をそれだけ意識しているのだろう。平たく言えば「TPP の批准でしっかり借りは返してもらうぜ」と言ったところだろう。他の首脳がどんなことをしたか?カナダの首相夫妻が日本の休暇を楽しんだ様子が多く報道されたが、国連事務総長なんか何しに来たのだろうか。何れにせよ、オバマ氏以外は会議終了と同時に鼻白む思いで帰国してしまったようだ。

いくら美味い料理のご接待に与ろうと、会して議することの意味を弁えない議長国の手前勝手に付き合わされたのでは気分が悪かろう。政府側からすれば他国でどんなに恥をさらそうと、現政権の経済政策が些かの反論があったにしても、一応サミットの場で承認されたということになれば国内的には大成功と見ているに違いない。既に国会も終了してしまっているし、あとは7月の国政選挙を乗り切れば、当分はしらばっくれた顔でいられると思っているのだろう。

消費税をこの先2年据え置くだけで日本の何かが変わるのだろうか?未来のことについては、基本的に天気予報以外は何も考えないことにしているので、どうなろうと構わない。しかし目前に存在する様々な問題、例えば日本の税金を逃れてタックスヘイブンに流れている資金への追求とか、オリンピックの裏金問題とか、政治家の不正や公私混同問題等。追及の手を緩めてはいけない問題が、祭りの陰で庶民の記憶から忘れ去られていくことになるのが残念だ。

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