2016年4月21日木曜日

報道の自由とは

今週に入ってから株価が持ち直しているのが不思議でならぬが、博奕好きの友人に言わせれば「非合理的なことが起きる、又は起こすのが博奕の醍醐味」だそうだから、株式投資なんぞも博奕の一種と思えばあながち不思議ではないのかもしれぬ。博奕のことなぞ平凡な市民にはどうでも良いことだ。しかし真面目であるべき国会は酷いことになっている。昨日もまたNHKを観ない婆さんに教えられた。

夕方は19時から30分のNHKニュースしか観ないことを知っているので、帰宅するとその日の重大ニュースを教えてくれるのだ。何回か書いているが、籾井氏が会長になって以来のNHKは本当にどうしようもない。気骨のある友人が1年以上前に振り込みを停止したので集金に来た人に、会長が来て「私が間違っていました」と頭を下げたら払ってやると言ったそうだが、気持ちがよく分かる。婆さん曰く、昨日民放が取り上げた1丁目1番地は、国連人権理事会の特別報告者カリフォルニア大学教授のデービッド・ケイ氏が、記者会見を行なったことだそうだ。

夜の報道番組で観たが、ケイ氏が「日本の報道機関の独立性が深刻な脅威にさらされていることを憂慮する」として、放送法や特定秘密保護法の改正を求める声明を発表したとのこと。こんなことについて指摘されるまでもなく、まともな人間なら誰もが感じたりしているようなことを、なんで態々外国人に指摘されなきゃならないのだろう。と思ったりはしたが、同氏は日本政府への正式な勧告を来年発表する予定という。

内容的には、放送事業者に「政治的公平」を求めた放送法4条の規定を廃止・放送行政を監督は政府ではなく独立行政機関にすべき・定義があいまいで範囲が広がり報道機関の萎縮に繋がりかねない特定秘密保護法の根本的改訂等々になるとの由。政府にとっては実に歓迎できぬ使者で、ケイ氏が再三面会を申し込んだものの高市総務相は多忙を理由に面会を断ったそうだ。コメンテータの後藤健次氏なるおじさんは「面会すべきだった」と仰ったが、そりゃ後知恵でしょう。総務相の会っても答えようがない気持ちはよく分かる。

住んでいると気が付かないのかもしれぬが、日本の「報道の自由」の侵され方は世界標準からするとちょっと問題らしい。この侵され方にもランクがあって日本は72位だそうだ。何でも2010年には11位だったものが安倍政権になって一段と加速したらしい。ケイ氏はこの他にも記者クラブの在り方にも苦言を呈したようでもある。

しかし冷静に考えてみると、政治的プレッシャーや制度の問題だけでは解決しないもっと深い問題があると思う。それは即ち自己規制、ここに問題の根源があると思う。頻繁に報道されていることだが、メディアの幹部が政権の権力者と会食していること。取材先から飯を奢ってもらってまともな批判が書ける筈はない。飯で済んでいるうちは大丈夫なんて思っても、結局のところ大は国有地の払い下げや消費税免除から始まり、小は記者に対する経済的援助に行きつく。お車代で済むうちは可愛いが、とてもそんなものでは済まないことを経験上よく知っている。

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