2016年1月8日金曜日

老後の不安

庶民は株価なんぞ関係ないと思うので、株価が5日連続で下がろうと知ったことは無い。むしろ、スーパーやコンビニの買い物客動向は、景気に対する庶民の気持ちと大いに関係るのではと思う。と言うのは、自宅と昼間居住する部屋との間にスーパー1軒とコンビニが2軒あるので、人の出入りがどうしても目に入ってしまう。まだ正月気分が抜けないせいもあるかもしれぬが、どう見ても今週は客の出入りが少ないように思う。暖冬で冬物衣料が売れないとか言われるが、どうもそれだけではなく、庶民の財布のひもが一層締まってきている可能性がある。

総理は国会答弁で「雇用が増えているとか賃金が上がってきている、最早デフレは状況から脱却しつつある。」と恥ずる様子もなく胸を張って答えている。野党が「そりゃおかしいでしょう?」と突っ込むと「あなたは本質が分かっていない。」と開き直っている。どちらが経済の本質を理解しているかについて判定は出来ないが、感覚的には無駄遣いは控えようとする人が増えていそうな気がする。「もっとお金を使え」と仰る政府や日銀の意に反する我が家の同類が増えることが、経済的に好ましいのかどうかは疑問だが、親類縁者に余り景気の良さそうな人が居ないのが現実である。

総理が年末年始に3回もゴルフに興じるのは、休暇中のことだから良しとしなければならぬだろうが、大多数を占める庶民は将来に不安を感じているに違いない。我々は残る人生が短くなっているからまだいい。可哀そうなのは働き盛りの若い人、特にアラフォーから50歳が近づいてきつつある世代の人たちだ。金融機関、少し前までは保険屋が主だったが現在では垣根が取り払われて、皆異口同音に老後の不安や、老後に迫る疾病の不安を、あらゆる宣伝媒体を通して煽り立てる。

日常そんなものばかり見せつけられれば、普通の神経であれば不安は増すに違いない。この世代は子持ちが多い。老後に漠たる不安があっても、そんなこと言っている場合ではないかもしれぬ。今まで暢気に過ごしてきた独身者でも、五十路の峠が近づけば、気にならないと言っては嘘になるだろう。正月にお婿さん二人と久し振りに会うことが出来た。二人とも丁度そんな年頃に差し掛かっているが、経済的不安などおくびにも出さず、元気に孫の成長を見守ってくれている。本当に偉いと思うし、感謝せねばならぬだろう。

先のことを心配すれば切りが無いが、半年先に何が起こるか分からない世の中でもある。広告屋のなれの果てとして言えば、金融機関の宣伝に踊らされてはいけないのだ。

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