2015年12月22日火曜日

メディアの見識

昨日、来年度の予算が成立したとのこと。今年度の補正3兆3千億円と合計すると丁度100兆円。1千兆円を超える財政赤字を抱えながら税収の倍以上の予算を組む神経。図太いと言おうか、無神経の極み。特に腹立たしく思うのが防衛予算の伸び。長年法律か不文律か知らぬが、GDPの1%以内とした掟は何処に投げ捨てたのだろう?このことに触れているマスコミは未だ見つからない。

おかしいなと思っていたら今朝の報道(日経10:22)で、今年度の経済成長率の見通しを閣議了解と来た。内容は「国内総生産(GDP)の成長率は実質で1.7%、名目では3.1%を見込む。雇用環境の改善や賃金上昇などを受けて、景気の緩やかな回復が続く見通し。」となっている。流石に日経もインチキ見え見えの政府発表を垂れ流すのが少し恥ずかしくなったのか、最後にこう付け加えている。「ただ市場には、安倍政権が掲げる実質2%、名目3%の成長目標を意識して見通しを近づけたとの見方もあり、実現に不透明な面も残る。」

予算に関して内閣が自慢げにアナウンスする子供手当ての増額に至っては失笑するしかない。前政権時代のものを大幅に引き下げておいて、後からちっとばかり引き上げる。相手をぶん殴って怪我させてから「傷口に赤チンを塗ってやったのだから感謝しろよ。」と言っているようなもので、まるきりやくざ者の手口である。

こちらも自慢げにアナウンスされている今年度の税収見込み。54兆円で予算より7兆円もプラスになりそうと、報道は提灯記事を書くが、増えたと言う7兆円のうちの5兆円が消費税の増加分。先日書いたばかりだが国の税収は所得税、法人税、消費税が3大税収で、1位が消費税、2位が所得税、3位が法人税の順。法人税等の税収ほど当てにならないものはない。サラリーマンから源泉徴収する個人の所得税が減少傾向にあるとなると、これは本質的な税収不足に陥るのは確実である。法人向けには各種優遇税制が廃止どころか、ジャンジャン増加中なので、実際に法人税を真っ当に払っているのは、中堅から中小零細の企業群であり、国家の後押しを受けている企業が必ずしも、名目通りの法人税を支払うとは限っていないそうだ。 

市井のボケ老人が腹を立てて、ごまめの歯ぎしりみたいことを書いても糞の訳にも立たない。故に大手マスコミには高い見識を求めたい。消費税の軽減税率適用を受けると何も言えないでは困る。税金をまけてもらうのは構わないが、言うべきこと、例えば政府発表の虚偽発言や根拠が無い発言はちゃんと検証・指摘してほしいものだ。さもないとマスコミが政府の宣伝機関となり、戦前に逆戻りしかねない。

0 件のコメント: