2015年3月27日金曜日

偽りの民主主義

昨日のブログで、安倍総理の「我が軍」発言とそれを容認したや菅官房長官の発言を知って「日本の軍隊」をタイトルにし、「嫌な感じ」と書いて締めくくった。これに対するmixi読者のコメントを見て、意図と異なる受け止め方をした方がいるかもしれないと思い、作文のご粗末さを反省するとともに、今日も似たようなことを書きたくなった。誤解された方がおられるかもしれないが、小生は日本にも軍隊があって当然だし、自衛隊は正に軍隊だろうと思っている。

しかし、完全に憲法違反であるのは万人の認めるところだろう。旧社会党のことを褒めるつもりも無いが、彼らが国会内で自衛隊を違憲と叫んでいたことだけは正しいと思う。その政党が政権の甘い蜜で酔わされて合憲と引っくり返り、挙句の果てに党が消滅してしまったのだからブラックユーモアみたいものだ。そもそも昭和27年に警察予備隊を発足させるに当たり、総理であった吉田茂自由党総裁が憲法を改正せずに、言葉の綾だけで誤魔化したのが事の発端で、彼の罪も重い。

村山総理や吉田総理だけでなく、日本の政治家の殆どが肝心な時に役に立つのだろうか?少なくとも現在の政権は、国民の生命財産を守るためと言いながら、実態的には挙げて米国の番犬になるべく一直線だ。沖縄辺野古の新基地建設問題を見ても、とても国民の方を向いているとは思えない。野党を含めれば約700人もの国会議員がいて、彼等は一応選挙で選ばれてくるので、日本は民主国家だと思わされている。

果たして本当にそうだろうか?バッジを胸にした先生方は民意を代表する国権の最高機関と胸を張るが、国会がまともな立法府として機能しているかどうかが甚だ疑問になってくる。人口比では世界的に見ても多すぎる先生方が、半年以上かけて議論をしているように見せているが、立法問題で議論が噛み合ったのを見たことが無い。議論の対象になるのは大概内閣提出の法案であり、これの枝葉末節に野党が噛みつくスタイルに尽きるが、閣僚側も実は法案の中身を十分理解できていないことが間々ある。

何故ならば、日本の立法作業は民意で選ばれた政治家が行うのではなくて、民意とかけ離れた官僚が絵図面を引いていること、これまた万人の知るところだろう。諸外国と大きな違いがここにあることを指摘する人間が居ても、その根本的見直しに政治家が触れることはない。そこの矛盾を上手に操作した例とすれば、宗主国の意に反することを意図した鳩山総理なんかは、いとも簡単に政治生命を絶たれてしまった。これも役人にはしごを外されたことは歴然としている。

別に鳩山氏が我が好みではないが、少なくとも民意で選ばれた総理が民意と違う力で失脚させられたのであれば、クーデターと変わらないだろう。民意に依って選ばれた総理が今になって最高法規の憲法改正を意図している。そのこと自体に反対するつもりも無いが、総理の本意が戦前の軍国主義を目指しているとすれば、かなり慎重なチェックが必要だろうが、果たしてその役を誰がするのだろう?偽りの民主主義の中でぬくぬくと生きてきて、初めて不安を感じざるを得ない。

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