2015年1月19日月曜日

差し迫りつつある問題

年齢が年齢だけに政府の予算方針で介護関係費の削減がどうしても気になる。兄弟うちでも今のところは、要介護認定も比較的低いランクの者ばかりで、デイサービスを週に1回とか2回とか、その程度で済んではいる。我が家は幸い婆さんが未だ健在で、朝晩の飯を初めとして家事全般を取り仕切ってくれているが、これとていつまで続くか分からないし、逆にこちらがいつ倒れてもおかしくない。

昨年末の29日の朝、近くの医者の玄関前で倒れているお婆さんを助け起こしたことがあった。あとで聞くと、そのお医者さんは当日から年末のお休みのつもりだったらしい。それを知らずに来たお婆さんが縁石に躓いて倒れ込んで動けなくなったとのことで、助けを求められた。冷たい雨が降る日だった。傘を放り出して駆け寄って助け起こそうとしたが、力不足で抱き起せない。運よく大工さんの軽トラックが通り掛かり、二人でやっと起こすことが出来た。テレビなんかでよく見ているが、この時初めて介護の大変さを実感した。

実は昨日早朝、今度は近くのコンビニの前で倒れて意識を無くしているお爺さんを見てしまった。幸い既に救急車が向かって来るのが見えたので、立ち止まらず通り過ぎてはきたが、婆さん曰く「最近よく変なものにぶつかるので厭ねえ。自分自身が気を付けてよ。」全くである。詳しくは分からないが、介護職は重労働できつい割には報酬がそんなに見合っていないとも言われる。15年くらい前には、介護士なると言って職場の広告会社をやめて行った若い社員もいたが、今はどうもそんな傾向が無くなりつつあるみたいだ。

報道で見る限りだが、介護士は不足の傾向で、外国から人を入れればいいじゃないか、なんてことが言われ始めているようだ。更に追い打ちをかけるのが介護報酬の減額らしい。政府は民間の介護事業が儲かり過ぎているとの判断をしているようだが、介護の現場は人出不足で困っているらしい。この週末テレビでちらりと観ただけだが、無届介護施設が増えているそうだ。公的認可を受けている施設より入居費用が安く設定されていることから、需要が結構あるとのこと。

しかも無認可であることを知りながら、大きな病院が患者の退院の際に紹介してくるようなこともあるらしい。認可施設が1か月に25万円程度取るところが多いらしいが、そんなに支払えない老人はごまんといるだろう。15万円程度だったら何とかなりそう、と言うことで無認可施設を紹介てなことになるらしい。取材に応じた無認可施設を経営しているNPOの代表者が「辞めろと言うならすぐ辞めますよ。でも患者さんはどうするのですか?」やや開き直っていた。実に身につまされることである。一人1か月15万円でも結構な金額だ。

二人共倒れになったら年金ではとても賄いきれない。何れにせよ、介護等の社会福祉関係にはきめ細かな目配りと、予算を出来るだけつぎ込んでもらいたい。政府は自衛隊関連予算を増加させたり、総理外遊の手土産代わりに中東に日本の税金をばら撒いたりしている。中東にばら撒くODAなんぞは巡り巡ってイスラム国に行ってしまうなんてことを言う人すらいるくらいだ。どう考えても日本国の実態が見えているとは思えないし、考えるべき方向のピントが外れているようにしか思えない。

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