2014年11月26日水曜日

デジタル化時代

2日続けての終日雨。朝から暗く冷たい1日であった。じっと座っていては滅入る一方だし、運動不足は身体によくない。勝手な思い込みで、有楽町のカレー屋に行って昼食。さすが江戸の中心だけに店は超満員。不景気が嘘のようだが、50人近いキャパの店で圧倒的に出ているのは980円のハンバーグ定食。美味しいことは否定しないが、千円以下では唯一のメニューである。小生注文のカレーも3月までは980円だったが、4月から1250円と大幅に値が上がってしまった。

入店した時刻が12時半近くと最悪の時間帯だったので、小生を含めて6人が空き待ちをしていた。10人近い従業員が客の注文を大声で捌くので、活気があって気持ちが良い。10分足らずで席に案内され、食べ終わったのが1時ちょい過ぎだったが、もう空席が半分近くできていた。繁盛しているようでもこの雨の中、ランチで4回転200人の客を集めるのは大変そうだ。食事を済まして有楽町から永田町の国会図書館まで歩く。

距離的には恒例の池袋往復には少し足りないが、二駅分なので片道分は確実に稼いだことになる。土砂降りの上に風も強いので、図書館についたら背中やズボンの膝下はびしょ濡れだった。借り出し図書の注文から受け取りまで20分くらい時間が掛かる。この間にデジタル化された古い新聞や雑誌を、コンピュータ画面で読むことができるのが有りがたい。こればかりは都会の特典と言える。少し前まではこんな仕掛けは無かったし、閲覧室でパソコンを持ち込むことができる席も限られていた、

確か今年度からだったように思うが、閲覧室は全ての席にパソコン用の電源とLANケーブルのポートが設置されているし、全館WiFi環境にもなった。備え付けのパソコンでデジタル化された資料を読んで、必要愛な個所をその場から印刷依頼も可能だ。現役時代にテレビ制作に関わっていた頃、リサーチャーなる職種の人が居て、図書館通いをしていたものだ。多分今でもリサーチャーはの存在は欠かせないだろうが、僅か20年かそこら前と比べれば、格段に仕事の能率は上がっているだろう。

世の中変れば変わったものだが、デジタル化の進歩とトレードオフで人間がバカになるとの説もある。確かに電話番号なんか脳みそに刷り込まれているのは、精々5つ、無理しても10指に足りない。携帯を落としたら先ずお手上げだろう。電車に乗って見渡せば半分近くの人がスマホと睨めっこだ。二人連れで乗り込んでさえ、そうしている人までいるのを見ると、一体何をしているのか教えてほしくなる。静かではあるが、これが暗くて不気味な空気を醸し出していると言っても過言ではあるまい。

2016年度からはマイ・ナンバー制なるものがスタートするそうだが、デジタル化対応で社会的に効率は上がるのだろう。代わりに何かが遠のいて行く予感がする。

ところで、デジタル資料で読んだ雑誌は「諸君」(既に廃刊になっている)1987年2月号。新年の発売、当時47歳でこの年の8月初めての転職を決意したので、何となく開いてみた。目に留まった記事がこれ。
「2005年は日本のたそがれ」
ー1国が永遠にトップにはなれない。欧州が100年なら米国は半世紀、日本はトップになれないが、繁栄が続いても精々30年がいいとこだろう。ならば日本の峠は2005年?ー

当たらずとも遠からずの感あり。森本哲郎、木村尚三郎、神谷不二。三氏の鼎談だった。

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