2014年1月29日水曜日

評価の変換点?

昨年来のことだが年が明けてからも、政権にとって大問題になりそうなことが頻繁に報道されている。しかし、前政権であれば少なくても大臣の首を取られても仕方が無さそうな事が思いの外で、通り一遍の報道で終わり、肩すかしを食らう気がする。甘利大臣の電力会社から受けた政治パーティ券購入問題も政治資金不正疑惑かと思ったが一切追求は無し。閣僚ではないが、籾井NHK会長の暴言問題は、政権とは無関係の1個人の発言についてコメントの必要は無いで終わり、わずか一日であっさり封印されてしまった。

靖国参拝も、慰安婦問題も、教科書問題も、領土問題も、辺野古移転強行も、秘密保護法も、集団的自衛権容認も、原発再稼働も同様であるがおよそ安倍政権を揺るがしかねないと思えるあらゆる問題について安倍首相は強気の姿勢を崩さない。昨日新たに出てきたのが教育改革と来たものだ。自分が受けた教育を反面教師としているつもりか知らぬが、まともな学校教育を経験していない人間にだけはそんなことを言ってほしくないそうだ。

小学校から大学までエスカレータに乗っていたことを妬んでいるのか、総理が出た私立の学校を馬鹿にしているのかよく分からないが、家庭内ではそんな声も聞こえてくる。総理強気の背景が何があり、行き着く末のことは知る由もないが、野党とマスコミにはもっと追求すべきことが山積している筈だ。昨日の民主党海江田代表の質問には失望した。ただでかい声を出せばいいと言うものではない。なぜ冷静かつ論理的に、事実を積み重ねて総理を追い詰められないのか。むしろ総理の方が冷静に見えてしまう。

こんなこと言っている人もいる。経済ジャーナリストのビル エモット氏が書いた小論文を読んだ。題して『「世界が憂う「アベノミクス」の行方 靖国参拝で高まる日本への懸念と苛立ち』要約すれば次のように書いている。

「安倍首相は、ナショナリストで外交政策ではタカ派として知られていた。それでも、2013年上期までは、それが安倍首相に対する前向きな見方を妨げることはなかった。東シナ海における中国の自己主張に直面した際には、より強く明快な考えを持つ日本は、世界から、特に中国の圧力にさらされていた東南アジア諸国から歓迎された。しかし過去1カ月ほどで、2014年に安倍首相と彼のリーダーシップの下で日本が果たすであろう役割への楽観と称賛は、懸念と苛立ちに変わった。」

「安倍氏が首相になった時、多くの外国政府や海外投資家は彼の国粋主義的な態度を黙認した。自由民主党内の支持を固め、アベノミクスに必要となる自由化改革に役立つと考えたからだ。しかし、その黙認にも限界がある。」

「だからといってアベノミクスが必ず失敗するとは限らない。経済成長率を引き上げるために、デフレからインフレへと効果的に転換できれば、企業や家庭の行動が変わる可能性も理論上はある。それに生産性の向上が続けば、政治的に構造改革がもっと実現しやすい環境になるかもしれない。しかし、金融の矢だけに頼るのは賭けであり、それは日本の強さではなく弱さだ。今年、世界は主に、この日本の弱さに気をもむことになるだろう。」

外国のジャーナリストではあるが、分からない点はあるとしながらも、世界が日本をどのように見ているか、納得できた思いである。

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