2013年5月28日火曜日

政権内部の空気如何?

先週木曜日の夜から一昨日の日曜日まで山に行っていたので、下界の喧騒を離れることが出来た。その間に下界の空気または娑婆の様子が大分変ってきている。最大の原因は、アベノミクスとか黒田バズーカ砲と称せられた政権のデフレ脱却法の化けの皮が剥がれ始めていることにあるようだ。アベノミクスが正しいか、異論を唱える方が正しいかの判断はつきかねるし、本当に政権の意図せざる方向に潮目が変わるかどうかも分からない。政府は平静を装う努力をしているように見えるので、本当は慌てているのかもしれない。

先日読んだ原発事故の民間事故調関連の本に「エリートパニック」なる言葉が紹介されていたので興味を持った。意味は「真実が恐ろしい内容を含むとき、それを伝えると国民がパニックを起こすのではないかと、そのインパクトに怯えてエリート層がその情報を隠す。」だそうだ。政府高官がエリートとも思えないが、菅官房長官の会見の様子など見るにつけ、この人も閻魔様の前に出た日には相当痛い目を見るだろうと思っている。

他にもパニクっているに違いないが、なんとか騒ぎを最低に押さえているように見えるのが東海村の加速器実験施設「J―PARC」の放射能漏れ事故である。原発関連でないとは言っても、ことは放射能漏れだ。まして組織が複雑なので理解しにくいが、この実験施設を運営しているのは悪名高い高速増殖炉「もんじゅ」を運営する日本原子力研究開発機構なるところらしい。総理大臣に言わせれば「世界で最も安全な原子力発電技術を有する日本」の原子力を研究する国家プロジェクトの総本山なのではないか。

文科省の政務官あたりが記者会見で体制の見直しとか言って済む問題では全く無い筈だ。中近東やアジア諸国に、先ほどのような枕詞を並べてトップセールスが聞いて呆れる。官房長官が口を開けば嘘を言わねばならぬから、出来るだけ触らぬようにしているのだろう。官邸記者クラブ辺りはそれで誤魔化せるかも知らぬ。しかし小生ですら、日本の原発を世界的標準で見ると安全基準や技術水準がいかに低レベルであるかを知ったぐらいだ。専門家の間では常識のようだから、そのうちにジャーナリストも勉強して突っ込みだすだろう。

世界を相手にしようというなら、常識は世界標準に合わせないといけないのは当たり前。大阪市長さんの「日本の常識がアメリカで通用しないとは知りませんでした」と同じことではないか。喋れば喋るほどドツボに嵌っていくのををよく見ておいた方が良い。誰の真似か知らぬが、政治家が商売人を気取って上手くいく筈はなかろう。政治家は、日本が諸外国と如何に友好的なお付き合いが出来るようになるかだけを真剣に考えるべきではないか。

隣国との関係さえ正常化できない政権が、内外ともにお金の話ばかりで人気が取れると思うのは勘違いも甚だしい。それとも次の選挙の楽勝ムードで緊張感が無いのだろうか?

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