2013年1月10日木曜日

「アベノミクス」ある専門家の見方

昨日、新政権の経済政策について皮肉めいた事を書いたが、読者の反応が余り良くない(アクセスが減ってしまいました)。素人があれこれ言っても面白くもおかしくないのかもしれない。口惜しいので再び同じ問題を取り上げ、専門家の意見をそっくり書いておきたい。丁度1年前に読後感でも取り上げさせてもらった「デフレの正体」の著者 藻谷俊介氏が今日の日経ビジネス(オンライン)で語っている。小生の気持ちをしっかり汲みとってくれているので嬉しくなってしまった。

冒頭に曰く『ちょっと、アベノミクスはどうかと思いますよね。国土強靭化のために公共投資を増やし、一方でマネーを供給して流動性を高めるという。それは、どっちも過去、やってきたことじゃないか、と。それで経済が良くなるんだったら、とっくに良くなっているはずですよ。』素人が言うのではない。東大を出て住友銀行やドイツの証券会社勤務の経験もお持ちの方が仰るのだ。

以下長くなり、少し分かり難いかもしれませんが、本文の要点を張り付けます。巷間言われる「安倍トレード(アベノミクス)」なるものは虚像で、インフレターゲット1~2%は前政権時代から日銀が取ってきた政策でもある。お金を無制限に刷った結果、結果何が起きるかについての検証は何もしてないだろうし、日米関係を強化する方針との矛盾になることを指摘している。

所詮小生のブログなんぞ誰かの受け売りだから我慢してね。

 『今、おカネを刷らなければならないことは、実は別の理由があります。アメリカがQE3(量的金融緩和第3弾)をやっているわけで、このままでは日米のマネーサプライのバランスが崩れてしまうんです。そうすると、為替がドル安円高に振れることになりかねない。
 
 日銀は震災直後からマネタリーベースを増やして、昨年に入っても右肩上がりで増やしてきた。実は、日米のマネタリーベースの差が重要で、これと為替レートには相関関係が見て取れます。日本が(金融を)緩めると米国のマネタリーベースを上回って「勝った」状態になる。実は、日銀の白川総裁はがんばって米国を上回ってきて、それが今の円安の要因になっている。別に「安倍トレード」ではないんです。安倍さんと無関係の様々な現象の結果として、今の金融の様々なことが起きている。

 で、これをもう一回、QE3で米国に巻き返されると困る、と。そこで、日本もおカネを刷らざるを得ない。つまらない戦いだと思いますけどね。 日本も表向きは「日米同盟」だけど、この喧嘩は買わざるを得ない。米国がQE2を仕掛けてきた時は、たまたま震災があって、日本もカネを刷ってマネタリーベースを上昇させている。この日米の動きがほぼ重なって相殺されたんです。

 日銀は、こうした点で見ると、マネタリーベースの上昇は仕方がないと思っているんじゃないかな。だから、安倍首相に「協力しましょう」と。どっちにしても、QE3が出てきたタイミングで、対抗措置を取らなければならないわけですから。

アベノミクスは、全然新味のない政策ですが、マネタリーベースを増やすという観点から言えば、日銀は「仕方がないのかな」と思っている。売られた喧嘩は買うしかないわけなので。 安倍政権になって「アメリカと仲良くなる」と言われていますが、少なくともアベノミクスは、アメリカに対して挑発的ですよ。「なんだ、俺たちの効果をチャラにする気か」と。

 そこまで安倍首相は考えてない、という可能性はなきにしもあらず、です。「リフレ策をやるんだ」と単純に思ってやっているかもしれませんね。アメリカに対するカモフラージュとしては、その方がいいとも言えます。』

0 件のコメント: