2012年8月9日木曜日

エネルギー問題

お盆前なのに例年になく涼しい日が2日続いた。今週の初めまではやけに暑かったが、お盆12日と13日は雨が降るらしい。陽気までが何やらおかしな年だ。因みに東電の最大電力実績カレンダーでピーク電力を確認してみると、今日のピークは80%を下回っている。先月から今日まで90%に達したのは7月17日、18日、26日、27日の4日だけである。経営上のコスト如何を別にすれば、東電管内では原発を稼働しなくても電力需給には特段の問題が無いのではと類推するしかない。

枝野経産大臣もその辺は十分分かっているので、金曜日毎に総理官邸周辺でデモを展開する人の代表に総理を合わせたくないのだろう。「将来の原子力発電をどのように考えるか」については、政府は真面目に考えているとはとても思えない。見え透いた意見聴取やアンケートを取っているが、誰が考えても15年後であれば原発ゼロにと望むのが自然だろう。しかし、政府はどうしても15%は必要だと思うなら、先ずその寄って来る根拠を明確にしてから、多様な意見を持つ有識者や国民代表から意見を聴取すべきだ。

それで意見が集約できそうにないなら、その時こそ選挙の争点にしてでも国民の意見を聞けばいい。エネルギー需給と原発の位置付けはそのくらい大きなテーマだと思う。「国民の信を問え」と野党は二言目には言うが、不要不急の増税で2大政党が野合していて、今更何をほざくか。夕べ垣間見たテレビで自民党の高村氏が「マニフェスト(公約)違反、選挙の際に嘘を言った、それは絶対にしてはいけない事だ。」尤もらしく喋っていた。

傍らで婆さんが「選挙での公約に反しなかった政治家がいたら、ぜひお目に掛かかりたいものだ。」と呟いていた。

原発を15年ぐらいでゼロにするのはそんなに難しくは無いのだろう。しかしそこに至るプロセスとその後処理、そして後のエネルギー需給問題はかなり難しい問題で、そう簡単に答えが出せる問題ではない筈だ。再生可能エネルギーと気安く言っても、これが全エネルギー供給の10%になるような日が100年程度で実現するとはとても思えない。

ではどうすべきか、それこそ拙速を避け、十分な議論を経て、初めて幾つかの選択肢を提示するのが政府の務めではないか。考えてみると似たような事があちこちに見られる。政府を切り盛りする政治家が国家を余りにも軽く見過ぎている。政治家として何か基本的なものが見に着いていない。船や飛行機の操縦を任された士官が船や飛行機について何も知らず、たまたま乗合わせたクルーに操縦を殆ど任せながら、時折思い付きの指示を出しているようにしか見えない。

あと3日で8月12日、ダッチロールの末御巣鷹山に突っ込んだ日航機を思い出してしまった。

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