2012年6月12日火曜日

復興はそっちのけの国会

過去何回も政治に関する事を書いてきたが、最近は政治なるものが分からなくなってきた。前から少しも分かっていなかったのかもしれない。諸先生方は口を開くと国家国民の為と仰る。国民の一人として感想を言わせてもらえば、どう見ても権力闘争で己を優位に立たせるために、兎に角相手が困る事だけを年中考えているのが政治家の仕事に見える。国民は1億2千万人以上もいるのだから、どんな政策を採用しようと万人が満足できるものはありようもない。

因縁を付けようと思えばどんな事にでも付けられるだろう。永遠に角を突き合わせているのかと思いきや、半年近い会期末になると消費税アップだけは奇妙に意気投合して、バタバタと審議が進みだしている。一体こりゃなんなんだろう?民主党が空中分解しさええすれば国家国民はホッとするとでも思っているようだ。野党の気持ちは分からないでもないが、野田さんが何故その路線に乗らなければならなかったのか?政治には凡人には想像できない深い闇があるとしか思えない。

消費税関連法案だけの審議が進んでいるが、特例公債発行のための法案すら店晒しで閉会になったらどうするのだろう?素人が心配しなくても何とかなるのだろうが、復興のための予算執行を心待ちにしている被災地だけでなく、新年度予算が決まってもお金が無いので事業に着手できない案件がいたるところにあるらしい。原発再稼働もそうだが、慌ててする必要がないことだけを一所懸命にやり、直ぐにやらなければならない事は知らんぷりを決め込んでいる。与野党で意見の対立があるとかの問題ではない。市民と国会の間に物凄く大きな意識・認識の断絶が存在すると思うのは我一人かな。

攻めている野党にせよ、攻められる政権の総理初め大臣各位でも、訳知り顔で偉そうに喋るが、最近は言っている意味が殆ど理解できない。こちらとしてはどうでもいいことばかりだ。挙句の果てがアンダーテーブルで握り合ったかのように「取り敢えず消費税の事だけ決めて、社会保障については広く国民会議で議論しようぜ」ときたものだ。狐につままれたようなとの表現があるが、今まで半年近く何をしてきたのか、馬鹿にするのもいい加減にしてくれだ。

馬鹿にしていると言えば、中国が尖閣諸島購入の件で大騒ぎする石原都知事と日本の政治を茶番と表現している。昨日都知事は国会で、中国の事を強盗国家と称して持論を吠えた。曰く中国が占拠しようとしているので、国が防御態勢を整えなければいけない。後段のフレーズだけ聞けばその通りだろう。しかし中国が占拠する意思を持っている事をどのように確認したのだろう。都知事から見ると中国は強盗に見えるかもしれない。

しかし、中国とはこれから益々友好を深める必要があると思っている人も少なくないだろう。その人たちからすれば、都知事はとんでもないことを発信していると苦々しく思うはずだ。いつの世も同じと思うが、国家国民の為を枕詞に据えた威勢のいい言葉には反論しにくい。例えそれが必要性の全くないことであり、まかり間違えば無用の摩擦を生じかねないことであろうともである。

喧嘩より仲良くする方策を考えるのが政治家のなすべき事と思うが、分かりかねる事ばかりだ。

0 件のコメント: