2012年5月15日火曜日

少し異なる角度の報道

マスコミ報道をけなしてばかりいるが、こういう記事がある事も紹介しておきたい。何れもネット上で見つけたものである。
5月8日「日刊ゲンダイ」の「切り込み時評」にノンフィクション作家の溝口敦氏が書いた記事。この人はヤクザ社会のドキュメント作家の第一人者で、取材のため深入りしすぎて襲撃された事まである。先日北九州市で起きた元福岡県警警部の銃撃事件について。

<撃たれた元警部は「暴力団捜査のスペシャリスト」、「正義感が強く暴力団に物が言える刑事」、「工藤会捜査に尽力したベテラン警察官」などという情報がさかんに流されている。 しかし、地元警察官の間では、ヤクザや業者と飲み食いして甘い汁を吸っていたという評判がもっぱらだ。工藤会でもその元警部の評判は悪く、よほどあざといマネをしたから撃たれたんやろ、という冷ややかな見方もあるほどだ。>

この記事に出会わない限り「銃撃事件は法治国家日本に対する暴力団の挑戦」をずっと信じ続けていただろう。ヤクザの存在を肯定するつもりもないが、非合法組織、暴力団と一方的に叩かれぱなしの感が無いでもないヤクザ。外国の記者から見ると、構成員の名簿が警察に届けられ、看板を上げて組織の所在を明示している事に違和感を感じるそうだ。外国でマフィアの看板を上げる事はないし、誰がメンバーか分からないから怖いらしい。

次いでフランス大統領選結果からの予想。これは日経ビジネスオンラインだからマスコミ報道とは言えないかも。北海道大学法学研究科准教授の吉田徹さんが語っている。詳しくは下記でどうぞ。
http://business.nikkeibp.co.jp/article/topics/20120514/231999/?mlp
「成長路線のオランドが当選した、ということはユーロがまた危機に!」との見方は、過激な発言を好むマスメディア向けの商売のネタでしかありません。
フランスの失業率が高いのは新聞テレビが報じる通りようだが、今度の大統領選への投票率とか、フランス国民の政治意識は新聞テレビの報道から受ける印象と随分違う。最後の部分を次に引用しておく。

<「権力の源は希望にある」とは故ミッテラン大統領の言葉です。オランドも「より良く生きる、より良い世界を作ろうとすること」を目指すべきと演説をしています。共同体の運命を握る政治の原点はそこにある。その意識がヨーロッパではずっと変わっていません。入口にあるのは「政治は信頼できないもの」ではなく「政治とは生活に必要不可欠なもの」という、当たり前の感覚です。そこは、我々日本人がうらやましがってもいいポイントかもしれません。>

14日東京新聞1面トップのこの記事も面白い。
<おいしい「年収7千万円」 平均的議員への税金>
残念ながら東京新聞ウェブ版には載っていない。下記で確認できます。
http://www.daichi.gr.jp/diary/diary_top.html

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