2011年7月5日火曜日

武道を必修?

今朝の朝刊で来年度から中学校で柔道などの武道(柔道・剣道・相撲)が必修となる事を知った。論説とは異なる寄稿だったが、解説者が心配していたのは指導者が不足している事と、それに伴う事故の発生だった。文科省なんて役所が果たして日本に必要なのか否かの議論も必要だが、学習指導要領の改定までして中学生の必修科目に武道を導入する必要性は何処にあるのだろう?一応ネットで検索してみると<伝統や文化に関する教育の充実>が引っ掛かり、○武道を必修化(保体/中1・2)と続く。

小生が中学校に入学した昭和28年当時、保健体育の授業の殆どは陸上の種目と屋内ではマット運動・跳び箱や鉄棒等の体操が主体で武道なんかは勿論なかった。因みに課外のクラブ活動とでも言おうか、運動部の記録を見て見た。上がっているのは野球部・庭球部・籠球部・排球部・水上部・卓球部の6部、部員が一番多いのが卓球部の60余人で、台が3台しかないので大変だったらしい。保健体育は勿論専門の先生が居て、その中のお一人で年配の体育教官は鉄棒があまり得意でなかった記憶がある。

この先生は蹴上がりがあまり上手でなくて、内心「俺の方が上手い」と思ったりしていた。しかしそんな事はどうでもよくて、中学生の鉄棒は逆上がりが出来ればよしとしたもので、蹴上がりなんか出来なくても良かった。問題は鉄棒をしている時に事故を起こさない事である。授業の前の砂場や体育館の手入れや道具の取り扱い、準備運動、運動中の補助の仕方等について真剣に教えて頂いたと思う。保健体育とは身体を鍛えるのが目的で、伝統や文化とは関係無いと思う。文科省の考える方向性が間違っていると思う。

日本古来の武道を教える事は決して悪い事ではない。むしろ若い人には大いに学んでほしい。我が孫も小学生時代に合気道を習っていたのに、中学校に進んだらバスケ部に引っ張られて、合気道を止めたしまったと聞き嘆いているくらいだ。武道こそはきちんとした指導者が教えるべきもので、大学の教職課程がどのようになっているか知らぬが、借り物の道着や道具で数日やった事があると言った程度の人間が他人に教えるべきものではない。

それこそ生兵法は大怪我の基だ。各武道の指導法が分かっている中学校の先生なんて少ないのは自明の事。生徒の怪我も心配だが、先生の方にだって事故が発生しかねない。昨日も「長幼の序」について触れたが、「伝統や文化に関する教育」とは何を教育したいのかさっぱり分からない。文部科学とは国の基礎をなす最も重要な事項だと思うが、これを司る役人や政治家が余りにもご粗末に過ぎはしないか。
家族に中学校の先生は一杯いるし、文科省OBの友人も読んでいると思うが、ごめんなさい。

2 件のコメント:

kiona さんのコメント...

相撲が謎ですね。古式空手とか合気道にしてほしい。まあ、関係ないですが^ ^

女子はどうなるんでしょう。。女相撲?

韓国では2015年までに全校ペーパーレスにするなどの話題もあるのに、こちらの国はムダでおせっかいな計画です。

senkawa爺 さんのコメント...

kionaさん
コメントをありがとうございます。

>ムダでおせっかいな計画です。
全く同感です。