2010年3月8日月曜日

政治とかね?

些か不謹慎であるが政治がまた少し面白くなってきた。「政治と金」の問題でトップとNO.2に加えて北教組の献金疑惑で追及され民主党は大苦戦である。更にマニフェスト違反数々の中には沖縄の問題も入りそうという事で可哀そうだが四面楚歌にも似た様相を呈している。これだけ与党を追い詰めているのだから対する自民党は大喜びしているかと思うとそうでもないらしい。

それはそうだろう。そもそも「政治と金」の問題は政策とは無関係の話で庶民(小生)からしたら関係のない話だ。テレビ解説者等が訳知り顔で「政治に金が掛かるのが不思議」みたいな話をしているのを聞くと「嘘だろう」と言いたくなる。何故もっとはっきりと「選挙で民意を問わなければならない民主政治には莫大な費用がかかる」とはっきり言わないのだろう?大分前の日記にも書いたが、どんな議員でも年間最低1億2千万(月額にすると1千万円)の経費が必要と元自民党議員から聞いた事がある。

はっきり聞いたのはその時が初めてであったが、「さもありなん」と不思議には思わなかった。まして政治家と個人的に接して取材している報道に携わる人間がそんな事を知らない筈が無い。最近は選挙をお祭り騒ぎに仕立てて飲み食いするような輩は皆無になって、選挙事務所での飲み食い経費は減っているようだ。しかし電話代や印刷経費を含め選挙事務所を構え公職選挙法則った人間を手配するだけでも結構な経費が掛かる事だろう。それこそ2世議員でも無い限り、普通の人間にはとても選挙なんかする気も起きないのが当たり前だ。

未だ政治家本人から直接聞いた事が無いので、真偽の程は定かではないが、国政選挙に1回立候補すると最低でも数億円の経費が必要になるらしい。そこをかき口説いてこれぞと思う人間を決心させるには、各政党は相当に頑張らなくてはなるまい。見込んだ候補者が1発で当選を決めてくれれば良いが落選となると、次の選挙までの期間を手当て(民主党は年間1千万円と聞いている)する必要があるので、衆議院のように4年待つ事になればこれ又馬鹿に出来ない金額だ。昨年末に元自民党議員から聞いた限りでは、自民党では未だその手当の額がはっきりしていないとの事だった。昔の自民党ではこれを派閥が背負って面倒見ていたのだろうが、今の派閥にはその力もないだろう。彼自身は名門資産家の御曹司で世襲議員の典型だが、彼でさえ少し不安そうな顔をしていたのが印象に残っている。

小生の知る情報は全て長屋の井戸端会議か床屋政談のようなもので論拠がいい加減だが、千人近い国会議員とその周りで飯を食っている人の数が一体何人になるかは分からない。しかし、現役議員1人の経費が1億円としても1千億円だ。議員歳費の約400億円と300億円強の政党助成金以外に相当なお鳥目が無いと、議員の皆さんは食っていけない仕掛けになっている事は歴然としている。平たく言えばその大部分は企業団体から召し上げているものだろうから、誰が言おうと「政治と金」は目くそが鼻くそを笑うに等しい。そもそも「政治と金」は自民党のお家芸だったのだから、予算委員会の大半を潰して元大臣諸侯が絶叫するのを聞いて白けているのは小生ばかりではあるまい。

枕が長くなってしまった。書きたかったのは自民党が「政治と金」で吐いた唾が我が身に降りかかってきて、自民党に金が回らなくなって政治家個人の本音が露呈し始めている事についてだ。金が無いと気取った事は言っていられない。先週あたりからもっともらしい理屈で新党に関する発言が相次いでいる。言い換えれば金の無い自民党に用は無いと言う事だろう。小沢一郎が嘗て「自民党は共有する理念も政策もなく、権力の座にあると言う1点で寄り集まっている政党だから、政権の座から滑り落ちればあっという間に崩壊してしまう。」という意味の事を言っていた。権力の座から滑り降りて半年しか経っていないが崩壊が始まっているのかもしれない。表では綺麗事のように装って誰も言わないが、谷垣さんでは配るお金も無いしお金を集められないから駄目。が見え見えでは。

しかし新党を立ち上げると言ったって先立つものはどうするのだろう?「みんなの党」がどこに党本部を構えているか知らないが、渡辺喜美氏も金集めには苦労しているだろう。嘗て金丸信が言ったと記憶するが、「政党一つ立ち上げるには最低30億円必要」との事だ。確かに党本部一つ構えるにしても沖縄や北海道に置くわけにもいかず相当な資金がすぐに必要だろう。新党は結構だが理念政策より先立つ事は資金の心配だろう。そこでまた鳩山邦夫がどうのこうのなんて事も言われ始めている。しかし幾らもの好きでも、政権の座にすぐ就くことは難しい新政党に鳩山家も金なんか出すかな?

こんな世相を見て面白がってはいけないとも思うが、建前と本音が垣間見えるところに面白さが出てくる。真面目に言えば、政界が混乱して小党乱立という事になれば役人が益々喜ぶのでは、と心配にもなる。今回の政変で政治は誰がやっても、官僚の首をすぐに挿げ替える事は難しいし、政策は急に変わり映えがしない事が分かってきた。しかし政党の持つ理念によって社会のあり様を遠くに目標として定めることは可能だろう。何れにせよ政界再編第2幕の幕開けが近そうだ。鳩山総理の理念については幼稚な話としてけなす向きも多いが、今後は徐々に理念の重要性も再認識されるようになるだろう。

一方で「民主主義は数、数は力、力は金」も変わらない真理である事も事実。理念、政策、力を兼ね備える立派な政治家の出現を待つのは今のところ無理な相談みたいだ。自分の事は棚上げにして現在のように理念政策と無関係なバトルを繰り返していては、百年待っても国民のための政治は出現しないだろう。間違うと共産党以外の政党は政権につけなくなる。期待を込めて言えばそろそろ「政治と金」を終わりにして、まともな政策課題に取り組んでほしい。その第一は政治家の数を減らして政治家の質を高める事に他ならない。我が家の有権者2人の希望だ。

どうしてこんな簡単な事が出来ないのか、不思議でならない。

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